きのう訳あって霞ヶ関へ行った。
霞ヶ関かあ。思い起こせば会社員時代、銀座での接待帰りにタクシーでよく通過した場所だ。
「お客さあん、高速乗っちゃってもいいですかねえ?」
そうだ。都心環状線の入り口があったっけ。確か運ちゃんたちの通称は「カスミ」だったよな。
「ええもう、そのまま三号を用賀までビュッと行っちゃってください」
今の僕にはありえない話だ。
その霞ヶ関に、この日は地下鉄でやってきた。車で通ったことはあっても歩くのは初めてだった。
駅前にそびえるは、裁判所のビル。裁判所なんて場所に足を踏み入れたのは、三十歳にして初めてだ。
そういや大学時代、法学部の友人がレポートのためかなにかで行くって言ってたな。あんときの僕は、「あっしとは関わりのねえことでござんす」なんて思ってたけど、来ちゃったよ、とうとう。
といっても僕が何かしでかしたわけではないのだ。いま通っている講座の課題のために、傍聴に来たのだ。
お目当ては、「東京地方裁判所刑事2部平成15年合わ275等」という案件。なんとも小難しい名前だ。館内の掲示板によると地裁第104号法廷で開かれるとのこと。罪名は「準強姦」、被告人氏名は「和田真一郎」。それはいわゆる「スーフリ裁判」だった。
傍聴券の配布はパソコン抽選。指定された場所に行くと、そこで偶然にも大学時代の先輩に会う。ちょっと変わった人で、東スポの記者になった人だった。都の西北つながりの二人が、都のセイヨク裁判で再会するとは。トホホ。
集まっている人は90人ほど。先輩によれば70人程度は入れるとか。で、いざ抽選。外れた。外れるほうが難しいってのに……。でも先輩が雇っていた「並び屋」さんの分を分けてもらい、なんとか法廷へ。
肝心の裁判傍聴記は、また今度改めて書くとするが、ただ、印象に残った人を3人挙げておこう。
�]妥槌鏐陲諒杆鄂� かなりご年配のおばあちゃん。尋問が右へ左へ、上へ下へ飛ぶ。昔は「振り回す女」だったと見た。
�∈I�のおネエちゃん速記官 常に発言者を放心状態の目で見据えたまま、手はモソモソと動いている。その口は片時も閉じることがなかった。
��裁判長 途中、おばあちゃん弁護士を猛烈に急かし、午後5時きっかりの閉廷に持ち込んだ。これぞお役所仕事。天晴。
2004年01月22日(木)
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