diary/column “mayuge の視点
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【ことば】出版マーケティング

 『世界の中心で、愛を叫ぶ』が映画公開の影響もあってか250万部から300万部へと国内小説最多部数をわずか数日の間に50万部伸ばした。(中略)この現象と、金原ひとみ綿矢りさが多くの人に読まれた現象は一見、相反する動きに見える。

 しかし、共通していることに“新たな読者”が加わったことがあるだろう。彼ら彼女たちに届いた背景には、まず口コミ、その後、店頭での話題性やネット上のトピック、いろいろありそうだ。また、実際的なところでは、3作に共通するのが紙質。どれも「かさ高紙」というボリューム感の増す紙を使っている。これにより、一見やや厚い本が2、3時間で読めてしまう。どうにか彼ら彼女らに届いた後、普段、本に慣れ親しんでいない世代が、初めて一冊読み通すという体験をし、そこに人に話したくなるような何かがあったため、さらに急拡大していったように見える。

(『ダ・ヴィンチ』7月号より)

2004年06月28日(月)

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