「オヤジ化」は、いつか君にもやってくる 〜PART 1
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最近、自分に起こった変化が3つほど。まず、衝撃的だったのが「“オエ”デビュー」。とうとう僕もデビューしちゃいました。
それは突然の出来事でした。朝、洗面所で歯磨きをしていたときのことです。もうお分かりでしょう。寝ぼけまなこでシャカシャカとブラッシングしていたとき、急に吐きそうになったのです。 「ウウッ……。うううっ……、ゥおェェェッーーー!!」 これって……。これって昔、僕が小学生のころ、毎朝のように布団のなかで聞いた、あの音じゃない? 父親が発する、不快なノイズ。それが今、自分から出てきたわけです。 僕は正面の鏡を覗き込みました。そこにいるのは、間違いなく自分。今、あの音を出したのが自分。ショックでした。鏡の中にいる僕の目からは、ボロボロと涙がこぼれています。それは、「ゲロのときに反射的に出てくる涙」だけではなかった気もします。 憎いのが、「吐きそう」になるものの「吐けない」ところ。だから「第二波」がまたやってくるわけです。最初の「オエ」で吐けてしまったほうがどれほど楽か。ゲロとゲリのときは、いつも死んだほうがマシだと思います。 しばらくすると、オエの波が引いていきます。僕は考えました。こんな思いはもうたくさんだ。二度とこの苦しみを起こすまい。きっとこれには原因があるはずだ。それさえ突き止めれば、もうオエとはおさらば。 何がいけなかったのか。起き抜けで吸った煙草? いやいや、毎朝吸ってるけど、オエは今日が初めて。じゃあ、歯ブラシが喉の奥に入りすぎた? いや、そんなことはなかった。これまたいつも通り。わかった! ゆうべのビール? ていうか、そもそも飲まない日なんてないじゃん。じゃあ何? 体を折り曲げる姿勢がよくないってこと? だって、でも、でもそれって、今に始まったことじゃないし……。 それ以来、僕は毎朝、洗面所の前で片膝をつき、お腹を折り曲げないようにして、ブクブクと口をゆすいでいるわけです。突然襲ってくる、あの苦しみに怯えながら。
明日は「シワ」をお届けします。
2004年11月06日(土)
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