ひとりだ。
目覚めると何時も想う。
ひとりだ。
内容の無い話をする相手は居るけれど。
ひとりだ。
「貴女に恋人がいないなんて信じられない。」
「こんなに美人なのに勿体無い。」
「1番早く結婚しそうだよね。性格も最高だし。」
「本当に良い女だよな。」
褒め言葉。
嬉しい優しい褒め言葉。
残酷な褒め言葉。
そんなに言うなら誰か紹介してよ。
そんなに言うなら私を求めてよ。
みんな遠巻きに見ているだけ。
「綺麗だ。」
って言いながら見ているだけ。
誰も傍に来て触れてはくれない。
「だって何か悪い気がして。」
「彼氏居るんでしょ、本当は。」
何で嘘吐かなきゃいけないの。
一体私が何をしたの。
「隙が無いんだよ。美人だし洋服も綺麗系だし何時も笑顔だし。」
ぢゃ、どぅすればいいの。
ブスになればいいの。
汚い格好すればいいの。
何時も怒っていればいいの。
私は只普通に生きたいだけ。
笑って。
泣いて。
仕事も頑張って。
休日には手を繋いで。
笑って。
笑って。
一緒に眠って。
そういう事がしたいだけ。
普通のひとが当たり前の様にしている事をしたいだけ。
誰もが経験する。
幸せを味わってみたいだけ。
其れは。
其れは。
とても贅沢な事で。
選ばれたひと達しか出来ない事で。
私みたいに弱いにんげんには。
許されない。
事。
なんだな。
きっと。
・・・ひとりだ。
2004年02月06日(金)

かつて・・。 / 桃色少女

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