「私の影を踏んで先へと進むかつての花の色。」

左手の薬指にした銀のペアリングが白々しく感じる。
何の約束の無い指輪。
何時何があっても直ぐに海へ返せるように。
願い等込めずに。

想い出を塗り潰して。
何度も白紙に戻しては。
新しく色を加えていく。
そんな行為に嫌悪感を示さなくなった私は。
強くなったのか。
それとも。
腐ってしまったのか。
どちらにしろ1度塗り潰してしまった絵は
もぅ元には戻せないから。
怯えながら色を創り出すしかない。

観覧車の中でキスをした。
何度も何度も。
唇を吸い合って舌を絡ませた。
東京の夜景とか
確かに綺麗ではあるけれど
そんなの本当はどぅでもよくって
2人きりの世界が何よりも素敵で
ずっとずっとこうしていたいって
思う事に嘘は無いのだけれど。
無いのだけれど。
無いのだけれど。
本当は。
本当は。
よくわからないんだ。
好きなんだけど。
好きなんだけど。
好きなんだけど。
指輪とかプレゼントとかセックスとか。
現実味が無くて信用出来ない。
まるで他人を見る様で。
映画の中の出来事の様で。
モノクロだ。
だけどもし彼が消えてしまったら。
私は哀しむのでしょう。
彼が他の女の娘を必要としたら。
私は声をあげて啼くのでしょう。
結局私は我儘で。
贅沢者と罵られても仕方が無い。

現在は只。
この色味の無い現実を大切にするしかないのかな。
2004年07月29日(木)

かつて・・。 / 桃色少女

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