「繋いだ手と手を諦めて無くした風景ひとつ。」

夢から醒めてしまった。
もう2度と彼と逢う事も無いだろう。
笑顔でさよならって言えた。
哀しくない訳じゃ無い。
寂しくない訳でも無い。
だってひととひとが別れるんだもの。
切ないに決まってる。
だけど私は笑っていたいんだ。

彼から貰ったワンピースも。
パジャマも。
ストラップも。
ネックレスも。
ピアスも。
不細工な猫の置物も。
指輪も。
合鍵も。
全部捨てちゃった。
ひとつひとつ。
ごめんなさいって謝って。

怒ってないよ。
確かに傷付いたけど。
赦してあげるよ。
そう決めたんだ。
どんなに痛くても。
私は全てを受け入れ抱き締めてあげようって。

だけど。
真夜中にたった独り。
子供の様に泣きじゃくった事実は。
誰にも内緒なの。
2005年03月25日(金)

かつて・・。 / 桃色少女

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