彼のことを信じてる。 そりゃ、不可解な行動を目の当たりにして、 疑心暗鬼になったりすることもあるけれど。 やっぱり心の奥では信じてる。 信じていこうって思ってる。 だって信じなかったら、何も生まれないもの。 愛情も絆も。 すべてはそこから始まるはずだから。
でもね、そんな自分がタマに怖くなるときがあるんだ。 だって知ってるから。 人の心は1秒ごとに移ろい行くことを。 そんなの痛いほど身をもって経験してる。 気持ちは努力だけじゃ、どうにもならないし。 努力しなきゃ、どうにもならないのも事実。 私に一番優しいはずだったあの人が。 いつしか私を一番傷つける存在に変わってしまった。 残酷な光景。 でも、それが現実。
信じていればいるほど、 裏切られた時の傷も大きくて。 ドクドクと流れる鮮やかな赤い血を呆然と眺めながら、 じっと1人ぼっちで痛みに耐えるしかない。 もしこの先、そんな事態が降りかかってきたら、 私は再び立ち上がれるんだろうか? そんな妄想と戦っている。
それでも私は、彼を信じずにはいられない。 心を預けて、心を晒して。
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