ダーの街へ行く飛行機の中。 いつもは眠ったり、本を読みふけったりしているのに、 なんだか興奮して目は冴えたまま。 1時間半のフライトを終えて、空港に到着する15分ぐらい前。 夜景が綺麗だから、 という理由で機内のライトが最低限に消された。 中央部分に座っていた私は、顔を窓の方に向けて、 窓の外の景色をじっと見つめてみる。 目をこらして、じっと。
真っ黒な漆黒の闇に、 ぽつんぽつんと灯りが点っている。 機内はしんと静まり返っていた。 きっと皆が、その灯りを見つめているんだろう。 ちょっとだけ息を殺しながら。 なんて不思議な光景。
キラキラと瞬いていたのは、 無数の光。 何年ぶりだろう、夜景なんて。 オレンジや黄色や白。 暖色系の灯りたちがぼんやりと浮かぶ。 私がよく知っているのは、青や緑の冷たい明るさ。 私の街と、あなたの街は 街の輝きさえ違うんだね。
どちらの宝石も、とっても素敵だけれど。 それが少しだけ寂しい。
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