代償

2004年03月21日(日)

あはははは。

酔っ払って言っちまったよ。

何て言ったかって?




←しかも突然。



一瞬の空白の後、ダーは「うん」って答えてくれた。

その2秒間ぐらいの間が、戸惑いだったのか、驚きだったのか、

ただ単に怯んだだけだったのかはよく分からないけれど。

ダーが真剣に受け取ってくれなくても、

「え!?」とか拒否反応されなくて良かった。

いつか現実になってくれれば最高に嬉しいことだけれど、

とりあえず今は、

彼の将来に少しでも私が存在していることで満足。



昨日の飲み会では、

大学時代に付き合っていた元彼の噂話を聞いた。

その元彼は、本当に女にだらしない奴で。

付き合ってる半年間の間に、何度女の影が見え隠れしたことか。

一番酷い時で、7股とか8股とかいうレベル。

その中には私のよく知ってる後輩なんかも居て、

その時のことを思い出すだけで、今でも具合が悪くなる。

だから何度も別れようとして、連絡を絶とうとしたけれど、

その度に繰り返しヨリを戻してしまった。

それぐらいの魅力が、あの時の元彼にはあったんだと思う。

美しい横顔、自信たっぷりな言動、頭の回転の速さ、

そして女の子の心をすぐさま虜にしてしまうハート。

ろくでなしなのに憎めない、不思議な存在だった。

今でもたくさんの謎が残っている。




←正直言って一瞬ショックだったり。



家庭に収まるようなタイプでは無かったので、

周囲の誰もが驚きを隠せなかった。

もしかして「できちゃった婚?」なんて

下世話な勘繰りを口に出しちゃう人も居るぐらい。

彼がどういう気持ちで、

そういう結果に至ったのかは誰も知らない。

分かっているのは、相手の人が年上だということ。

そして、目を見張るほど綺麗な女性だということだけだ。

最近、元彼に出会った知人が、

その件に関してお祝いの言葉を述べたところ、




←多分、私が見たことも無い幸せそうな表情で。



この話を聞いても、私に特別な驚きは無かった。

元彼は誰よりも、

自分のすべてを受け止めてくれる人を探していたから。

元彼の心の孤独に触れ、その寝顔を見ながら、

自然と涙をこぼした日の夜を思い出してみる。

その時私は悟ったんだ。

彼の孤独に寄り添ってあげられるのは、私じゃないってことを。



生涯のパートナーを見つけ、守るべき存在を手に入れた元彼に、

あの頃の輝きはもう無いだろう。

いつか、この街のどこかで元彼と出会ったら、

元彼はどんな顔をするだろう。

多分、バツの悪そうな顔をして少しだけ皮肉っぽく笑うはず。

そう考えたら、少しだけ可笑しくなった。

自由と引き換えに、彼は孤独を失った。

1人膝を抱えて、必死に涙を堪えていた少年は、

今はもうどこにも居ない。

私の胸の中の想い出に、ひっそりと佇んでいるだけ。

いつまでも甘く魅惑的な香りを放ちながら。

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