昨日はダーに何度電話をかけてもつながらなくて。
まだ仕事中なのか、寝てしまったのか、怒っているのか。
それさえも分からないまま深夜1時が過ぎた。
仕方が無いので、明日ダーのところへ行く準備を進めるのに没頭した。
コンビニへ行って、ダーの家に大きな荷物も送った。
ダーへのお土産をたくさん詰め込んで。
ダーの嬉しそうな顔を想像しながら。
それらの作業をすべて終えた頃、ダーからの電話が鳴った。
最初は今まで通りに話をしていた。
いつもの2人、いつもの会話。
まるで昨日のことなんて何事もなかったかのよう。
私は、私のせいで酷い苦しみを与えてしまった、親友の話をした。
全部、自分の責任だって分かってる。
彼女は、私を励ます為、そして私が間違った決断をしない為に、
封印していた自らの秘密を私だけに打ち明けてくれた。
忘れるために必死で戦っていた過去を、私が引きずり出した。
どんなに痛かっただろう、苦しかっただろう。
その当時、私は何をしていたんだろう。
多分、何の変化にも気付かずに、呑気に笑っていたに違いない。
彼女の苦しみに、私は1�世盖ど佞い討△欧蕕譴覆�った。
激しい後悔。自己嫌悪。
彼女のプライバシーに関わることなので、私はダーに漠然とした輪郭のみを伝えた。
ダーにどんな言葉を期待していたのか、自分でもよく分からないのだけど。
そして「蝶は無神経だから」と。
確かに私は最低なのかもしれないし、無神経な奴なのかもしれない。
だけどやっぱり、大好きな人にそんな言葉を浴びせられて、傷つかないはずはないんだ。
そして私は無理やり電話を切った。
出来るだけ、普通を装ったつもりだった。
受話器を置いた後、声をあげて泣いた。
悲しい涙、後悔の涙、反省の涙、悔しさの涙…。
苦しくて、すごく胸が痛かった。
親友の苦しさに比べたら、私の痛みなんてちっぽけなものだけど。
いつまでも嗚咽が止まらず、感情のコントロールが効かなかった。
困ったようなダーの声が、耳元をくすぐる。
私は我慢が出来ず、相変わらず号泣しながら、ダーに意味不明の言葉を訴えた。
全部、私のせい。
私が1人で暴走したから。
黙っていれば、誰も傷つけることなんてなかったのに。
すごい自分勝手。
ごめんなさい。
私がすべての感情を吐き出して、少し落ち着くのを待ってから、ダーは言った。
「蝶は、仕方ない奴だなぁ」
うん。本当に。困った人だよね、私。
自分でも救いがたい馬鹿だって、分かってる。
ごめんね、こんな彼女で。
私が弱いせいで、私が甘えたせいで、大事な人を傷つけてしまった。
もう、許してもらえるか、分からないけれど。
私、頑張るから。
頑張って、強くなるから。
私の我儘を受け入れて、抱きしめてくれたあなたたちのように。
強くて、優しい人になってみせる。
私の愛情表現は、いつだって傲慢で不器用で的外れなものだけど。
それでもやっぱり2人を大事に思う気持ちは、本物なんだよ。
あの夏の日。
大好きな人たちに囲まれた私は、とても幸せだった。
大切な玩具を目の前に並べて、満足そうに笑う子供のように。
無邪気に、純粋に。
完璧な幸せだったんだ。
あの夏の日は。
私にとって、すごく、すごく、大切な宝物。
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