sizukuの日記 sizuku 【MAIL】【HOME】
- 2003年10月03日(金) 花の言葉が聞こえますか?
ポストをあけたら秋の匂いがいっぱいした。
何の花だろう?薄い甘い香りの匂い。
少しかすれた秋の風の匂い
もう終わりだよってせいいぱい、振り絞る草の匂い、土の匂い。
知らないうちに私は自転車をこいでいた。
今日は家にこもってるつもりだった。
小学生低学年のころ、3人グループでよく通った通称
「近道」
通学路ではなく、見つかれば必ず叱られるので
ドキドキしながら秘密の道で遊んでいた。
細く長いその道は、草が生い茂り、よく四葉のクローバーが見つかった。
そのわきに流れる、さわさわと流れる小さな小川。
まだそこには自然が宿っている。
いつもこの時期になると彼岸花がいた。
「我が我が」
というように咲き誇ってみんなで首飾りを作ったり
何本も何本も集め花束にして遊んだ。
今日は私一人だけれど、やはりその魅力に惹かれた。
私が好きな一番好きな花。彼岸花。
花の中のオシベ、めしべの舞い踊るような姿
そして、何よりこの煌々とした鮮やかさ。
手を伸ばして茎を・・・
と思ったができなかった。
恐いくらい深く赤く染まった
そんな彼女達に気がとがめた。
「私たちを殺さないで」
そんな風に聞こえた気がした。
「分かったよ。そこでずっとずっと華麗に咲いてるんだよ。」
そう心で話し掛け、私はそこをゆっくりとで去った。