| 2003年06月15日(日) |
「一谷嫩軍記」「棒しばり」「葛の葉」「藤娘」歌舞伎座昼公演 |
「一谷嫩軍記」 幸四郎、染五郎の親子共演。父子が同じ道を歩むと言うだけでもすごいのに、同じ舞台に立つって、それだけですごいなぁ、と思ってしまう。染五郎、やっぱり歌舞伎がいいなぁ。いくつになっても芸があれば娘役でも姫役でもできるのが歌舞伎だけど、若手の魅力、ベテランの魅力、それぞれあると思う。(なんて偉そうに書いているけど具体的に魅力の違いを述べよと言われるとできないのがまだまだ私は初心者…)美少年役も可憐な姫役もできる(そしてどちらもまた美しい)染五郎の今を見ることが出来て満足。でも実の父と同じ舞台に立つってどんな気分なのかな?
「棒しばり」 私が小学生の時だったか?国語の時間に太郎冠者、次郎冠者のことを取り扱ったことすごく覚えている。それが今回こういう形で触れることができるとは思わなかったのですごく楽しみにしていた演目です。笑いの絶えない一幕でした。染五郎、勘太郎の若手ペアがのびのび楽しそうに演じていてこちらも気持ちが晴れ晴れとした舞台でした。
「葛の葉」 80歳を越す雀右衛門の葛の葉。有名な演目なのでこれまた楽しみ。これぞ歌舞伎、という演目ですね。姫役も世話女房役も瞬時に切りかえるシーンは1つの見所。衣装だけでなく、気持ちも切り替わるのがはっきりとわかるのがまた歌舞伎。人から狐へと戻る雀右衛門の演技がゾクゾクするくらいリアル。(女房葛の葉は実は狐。本物の葛の葉姫が現れたことで我が子=後の安倍清明、をおいて身を引く悲しい運命を自ら受け入れる)
「藤娘」 歌舞伎や日本舞踊を知らなくても「藤娘」の名前を聞いたことある人、藤の枝を可憐に背負った日本人形を思い浮かべることができる人は多いでしょう。今回この藤娘(藤の花の精)を演じるのが玉三郎。生でお会いするの初めてです。 今回の背景は伝統的な松の大木ではなく藤の絵が一面に描かれた銀屏風。これがキラキラと光ってきれいなこと。そして玉三郎の藤娘の可憐で色っぽくて美しいこと。途中客席に向かってごあいさつと、いうご愛敬。この時のちょっと恥じらう姿が涙出そうになるくらいかわいらしくて。お酒によって藤の枝にしなだれかかる姿が色っぽくて。私もあんなにかわいらしく酔えれば人生変わっていたかも?などとくだらないことを考えてしまいました(^^;) 衣装替えの間を三味線と鼓の軽妙な演奏が心地よくて。三味線ひけたらいいな、と思いました。なんか色っぽい音色というか響き弾き姿。
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