月の輪通信 日々の想い
目次|過去|未来
アプコを連れて、歩いていたら、 「オカアサン、空がとおくまで見える。」 とアプコがいった。 風は切られるように冷たいけれど、その分空はどこまでも青い。 その空気の透明感が、幼いアプコにもちゃんと判るんだな。
「オカアサン、お山がピンクになってくるね。」 道ばたの裸樹の梢を見ると、小さな小さな若葉の芽吹きが始まっている。 まだまだ固い小鳥のツメのような新芽があちこちにぷつぷつと顔を出し、 それが集まって、樹全体が、そして、山全体が春霞をまとったように、 次第にピンクの色を帯びてくるのだ。
「小さい組さんの時にはここでタンポポ摘んだよね。」 アプコは去年の春の事を懐かしそうに語る。 「まだまだ、お花は咲かないのかな」 立ち止まって、しゃがみ込み、道ばたの草花に見入るのは子ども連れだけに出来る特権。 一緒にしゃがみ込み、ホトケノザやオオイヌノフグリの群を探す。 こんなに寒い2月だというのに、ホトケノザにはもう小さな小さなつぼみもできあがっていて、濃い紫の花の色がほんの少し覗き始めている。
春の準備は確実にはじまっているんだなぁ。 そして、身長110�僂離▲廛海量椶�らは、こんなにたくさん、春の兆しが見えるのだ。 最近買った私のパーカーにはドラエモンのポケットのような大きなポケットが付いている。 右から入れても左から入れても、中ではつながっているカンガルーポケットというヤツ。 手袋を忘れてきたアプコがいつものように私のポケットに手を入れる。 反対側から私が手を入れて、中でぎゅっとアプコの手をつかんだら、 「わあ!」 と飛び上がってアプコが笑う。 「ポケットの中でナイショでなかよしが出来る!」
かわいいかわいい、5才のアプコ。 ずっとずっと仲良しでいようね。
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