朝目覚めて、あたしは少しmasayaに悪戯する。
これもいつものこと。 でも、すぅすぅと寝ている彼は、あたしが上から乗っても起きる気配もない。つまんないの。あたしもつまんないと思ってても襲ってしまう。学習しないわ。
それでも、一度だけイッテ、ふぅと溜息をついて離れる。
ギリギリまで寝かせてあげようと思う。
10時にチェックアウト。 今日の行き先は、ナムコナンジャタウン。
今回旅行の計画をたてるまで、こんな場所があることも知らなかった。 ナンジャタウンにはそんなに興味がないのだけど、その中にある、餃子タウンに惹かれる。
「お昼は餃子ですか?」
「あい。餃子です。」
入園券を買って、一通りナンジャタウンを見て、それから、いざ餃子タウンへ。昔懐しい町並の中に、13店舗のお店がある。
大阪餃子の店で並んで食べる。おいしい。 九州餃子と宇都宮餃子と、中国餃子と、東京餃子と、静岡餃子と、揚げ餃子と。 あたしはみかん水を飲んで、masayaはビールを飲んで、餃子だけでお腹いっぱい。結局計算してみると、餃子だけに4000円とか使ってたり。
ナンジャタウンのゲームセンターでふたりで卓球ゲームをしたり、masayaはストラックアウトでパーフェクトを出してたり。普通に楽しい。デートって感じがしていいなぁ。
ベンチに座って休憩して、次はどこへ行くかの相談。 いろいろ行きたいところはあるんだけど…。 原宿も行った事ないし、銀座とか。
東京って広いんだよね。びっくりしちゃう。
最終的に東京タワーに行く事にした。文字どおりのお上りさん。でも、やっぱり東京タワーには行くべきだなと思った。前回来た時は、高いところが苦手だったので、途中の展望台で止めたんだ。
東京タワーを遠目で見る。 高いなぁと思う。 近付くとどんどん大きくなる。 地元の人は来ないんだろうね。 修学旅行生がいた。
チケットを買って、エレベーターを待ってると、いろんな地方の方言が聞こえた。あたしの喋る言葉も大阪弁だけどね。
展望台から見る下界は、曇ってる。 ああ、夜に来ればよかったんだと、今頃になって気付いてみた。おばかさんだなぁ。特別展望台に上がるのって、またお金いるの?びっくりしちゃったよう。しかもすごい並んでるし。
並んで並んで、やっとのことで、エレベーターへ。特別展望台はやっぱり特別高かった。それに狭かった。くるっと一周回って、はい、終わり。あれ?こんだけなの?笑
写真を少しだけ撮って、また下りも並ばなきゃなんない。なんだこんなのかぁと思ったけど、目的は果たせたので、満足。 そして、東京タワーで下らないお土産を買った。
もう、いい時間だ。
「ここから、あたしは羽田までどう帰れば良いの?」
「バスがあるはずだ。」
外へ出ると、ちょうど浜松町行きのバス。発車時間はすぐ。 え?もう出るの?ねぇねぇ、masaya君、東京タワー撮って!
カシャっとシャッターを押して、フィルムが出て来た。 もう出発時間。
東京のバスは前から乗って、先払い。慌てて210円を入れると、10円が戻って来た。
「阪急バスと間違えてるだろ?」
ドアが閉まる。 ちゃんと行き方聞かなかった。大丈夫だろうか?羽田。
それにしても、ちゃんとバイバイも出来ずに、最後が「阪急バスと間違えてるだろ?」なんて…。
相変わらず。
知らない道で、知らない場所へ行く。 いくつ停留所を過ぎても、浜松町とは言わない。不安でメールを入れる。
「まだ着かない。」
「聞きたまへ。」
聞こうかと思ってると浜松町についた。 飛行機の時間までギリギリかもしれない。 が、私鉄の電車は走ってるけど、モノレールが見当たらない。 わからないし、時間がなくて、焦ってしまう。メールを入れると電話が鳴った。
「上だよ上。」
「え?どこ?」
「ずっと上に上がるんだよ。表示出てないか?」
建物の中に入ると、モノレールの文字。
「ああ、あったあった。わかった。」
「あい。がんばって乗りたまへ。」
浜松町からモノレールで25分程。チェックインは終わってるからあとはセキュリティだけ。でも時間はギリギリ。
モノレールの車窓に映る知らない景色を眺めながら、慌ただしい3日間を振り返って、あたしは微笑んだ。
masaya君。ほんとありがとう。
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