映画 - クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲 --- 2006年10月03日(火) |
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲 --- 日本/2001
監督:原恵一 脚本:原恵一 出演:矢島晶子/ならはしみき/藤原啓治/こおろぎさとみ
すごく好きな映画です。 泣けるとかそういうんじゃなくて、切なさが胸に残るお話です。
どちらかといえば、きっと大人向けの映画なんだと思います。大人が薄々気付いていたことを、はっとするほど鮮明に描いてくれているから。 でも、この映画はアニメーションじゃなければ描けないストーリーだったし、そして決して特別ではない野原一家が主人公でなければならない必然性があって、そこにすごく感心してしまいます。
私たちは生きていく中でいろいろなものを捨てていきます。正確に言えば、知らないうちに置き去りにしてしまう。 たとえば初恋とか、無邪気に思い描いていた夢とか、いつもそばにいたお父さんとお母さんとか。いずれ時が経ち、大人の考え方を受け入れるようになって、背負わなければならないものもできて、当たり前だったそれらともいつしか隙間が空いていく。 嫌なことがあってもふてくされても毎日を生きていかなくちゃならなくなって、ふと振り返ればいつの間にか遠くへ置き去りにしてきたものがすごくきらきらしているように見えたりして。 だけど、私たちは可能性を忘れてはいけないのです。置いてきたものが素晴らしくきらきらしているように見えても、今持っているものもなんら遜色ないものかもしれませんから。 階段を必死で駆け上るしんちゃんを見て、少しのノスタルジーに震えつつ、応援しないわけにはいかないのです。
あ、あと、劇中に使われる歌はどれも素敵過ぎます。 吉田拓郎の「今日までそして明日から」がこの映画のエンディングに相応しいです。
(AT RENTAL DVD/20061003)
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