映画 - るにん --- 2006年11月22日(水)

るにん --- 日本/2006

監督:奥田瑛二
脚本:成島出
出演:松坂慶子/西島千博/麻里也/小沢まゆ

2006年公開ですが、2004年撮影です。
この物語の舞台でありロケ地の八丈島が私の故郷であるがゆえ、そんな視点からも観ていました。というか、そういうきっかけが無ければ観ていない映画でした。こういうセックスとかバイオレンスを含んだような邦画は怖いので苦手です(笑)。

原作は未読なんですが、ストーリーはフィクションで、出てくる登場人物は実在しているけれどなんか色々違うらしいです。
生きるのってものすごく大変だっていうのが濃すぎるくらい描かれていて、出てくる女たちのえげつなさとか物悲しさが割合下品に映っていたと思います。
実際島では大飢饉に見舞われまくってたみたいで、山奥にさつまいもの石碑とかが残ってたりするくらいです(さつまいもは災害などに強いので島民はそれを食いつないでいたみたい)。
現代の飽食の時代に生きていて、ひもじすぎて死んでしまうというのは、ちょっと想像を絶します。痛いとかじゃなくて、精神的な追い詰められ方をされるんだろうなあー。
豊菊と喜三郎の関係が主軸なんだろうけれども、島を出た後が長すぎたような気も……いやいや決してもっと島が見たかったとかいうワガママではなく(笑)。

監督の映像のこだわりはものすごく伝わってきました。
島の人間でも滅多に足を踏み入れないようなところでロケしたり、海や空もちょうどきれいなところを映していたりして。
女たちが下品に描かれているみたいなことを前述しましたが、女郎が引き立つように、特に松坂慶子さんを美しく撮ることを意識されてたんじゃないかと思います。衣装の色なんてまさしくそうで、ぼろきれみたいな島民のむさ苦しい男の中で、色鮮やかな紫や赤はとても艶やかで目を引きます。どうでもいいけど衣装デザイン鳥居ユキさんですね。

内容はエロとグロが存分に含まれており、家族で見ると空気が微妙になること請け合いです。
一人でこっそり観るのをおすすめします!

(AT RENTAL DVD/20061122)