ハーメルンの笛
リアリティについて考える(01/09/11)
ファンタジーと呼称されるものの象徴性について考える(たとえばキキという名の娼婦について)
実話と寓話の、境界と線について考える(ジェシカ・リンチ)
―開始音―
Picnic at Hanging Rock. イマジネーションを想起する 私たちがおしなべてこころもとない場所にいることを すべての私たちは知っているので
Picnic at Hanging Rock. リアリティは獲得される 笛は獲得され獲得させられた私たちのみが東門を抜けていく めくらは帰る おしも帰る 私たち以外のものはすべて“ここ”に残留し懐かしみそして禁止する
首吊岩でピクニックが始まる 私たちの中でビルは崩れ130人の私たちが丘を越える Picnic at Hanging Rock. 私たちの中で笛の音が鳴りめくらたちは私たちの外に救出され そして禁止する禁止されてピクニックが始まる終わらないあるいは始まり続ける イマジネーションの想起により それは獲得され続ける 私たちは失われ続ける
―笛の音は鳴り続けるー
※ キキ…フランスに実在した娼婦。本名アリス・プラン。モチーフあるいは象徴としてよくその名が使われる。
※Picnic at Hanging Rock…1900年にオーストラリアで実際に起きた名門女子学園の集団失踪事件を題材にした映画。1975年製作。
※ めくら、おし…ハーメルンの物語では2人の子供が途中で帰っている。一人は目が見えなく皆がどこに行ったのか示すことができず、もう一人は口がきけなく何があったのか語ることができなかった。
※禁止する…ハーメルン通りでは現在も音楽を奏でることが禁止されている。
|