2005年12月31日(土) |
オカズにしてあげよう。 |
しかしまあ年末ということで みなせわしないわけですが 年が明けたからといって このせわしなさが治まるかといえば さにあらず 昔は正月といえば どの店も休みで まるでゴーストタウンかの如く ひっそりと街が静まり返り あたかも街が我が手中にあるかのように ちんこを握りながら 来るべく新年に固く誓うのである 今年こそ 今年こそムケますように と だがなんだ 近年は 元日だろうが なんら変わりなく通常営業する店が多く 普段と変わらないどころか 正月休みの人間まで街に溢れ せわしないこと山の如し せわしくなると世にはバカがあふれ 結句そのバカのせいで 我々の精神に影響を及ぼしかねない 否 実際にバカのせいで もういやんいやんな状況に陥っているわけで 小生 恥ずかしながら悲しみながらテムポ正しく カレーという食べ物を愛でる傾向にあるみたいねどうやら 美味いカレーが作れる女は 無条件に嫁にしてやりたいし カレー以外何も作れなくたって 俺は女とカレーを愛してやるほどのカレー王 ようやくたどり着いた長期休暇に この1年に感謝を込めて 自分へのご褒美になんつって いざささあヨーソローキャプテンは誰だ なんつって 喜び勇んでカレー屋に入ったわけだよ オーソドックスを好む私は いなオーソドックス以外のカレーなんてカレーではない 邪道だクソだウンコだちんかすだ 至ってシンプル カツカレー大盛り カツカレー大盛りな な シンプルやろ 言うてみ言うてみ はいレッツセイ カツカレー大盛り なんてことない はずだ ロクに教育を受けてない人間でさえ 難しくもないワード それが カツカレー大盛り ハッキリと私はそう言ったにもかかわらず 注文を取りにきた女はこう返しやがる はい カレーライス大盛りトッピングでカツですね と うんまあ ちょいと言葉は違うが 内容は同じだ そんな言葉の違いで怒る私ではない が しかしその瞬間女の発した言葉に少しギモンを感じたわけで 注文を取りにきた女はウエイトレス いわば中継地点 その後客の涙のリクエストをロケットにいれて 厨房につたえなければいけない 勿論一字一句違わず にだ かんさはむにだ だがしかし女は厨房に向けて カレーライストッピングカツワンです と いいやいやいやいや ちょいとお姉さん 肝心な言葉が抜けてんちゃいますのん 大盛りが抜けてんちゃいますのん としかしカツワンとあるように ウエイトレスと客の関係性と ウエイトレスと厨房の関係性は全く異質なもので 客よりも仕事とは言え親密で緊密な関係性にあるのだから もしかしたら私の勘違いかもしらん いちげんの私にはわからない暗黙の了解で 大盛りであることを女は厨房に伝えたのかもしらん その証拠に 女は残した伝票に大盛りと書いてあるわけで これは私の早合点であるのかもしれない きっとそうだ考え過ぎだ なんて思弁しているとカレーが運ばれてきたのだが 案の定 お世辞にも大盛りとは言えない量で ああやっぱりやっぱり と非常に紳士的な言葉で私は女に伝えた イズディス大盛り? これは大盛りですか と すると女は堂々と ノーイッテイズント いいえ違います としゃあしゃあと答えやがるので ホワイドゥーユーシンク 大盛りを頼んだのだがどおゆうことですか 普通なら 普通の思考能力のある人間ならば そこで もしかしたら注文を聞き間違えたのかしらん と自らの不備に気が付くはずなのだが その女は得意げに上目遣いで言い放ちやがったのですよ え〜 大盛りっていいましたあ〜 いやこれはキレないかん 誰だってキレるだろう どんなに温厚で怒ったとこ見たこと無い 怒ってよ叱ってよ愛してるならアタイを怒ってよ と最愛の人にまで怒ったとこを見せない人間でも キレますがな だいいちなんだその言葉使いは それが客に対する口の聞き方か カワイイからといってなんでも許されると思うなこのヴォケィ 殴るぞ女でも殴るぞ とはやる気持ちを抑えて 私は伝票を女に提示して 大盛りとあなたも書いてあるやないですか あなたのミスではないか と非常に紳士的に対応していたところ どうかいたしましたか と 奥の厨房から店長らしき 如何にも脱サラしましてんな風貌の男が現れ そうだ 女の言葉遣いも上司でもあり雇用主である店長の 社員教育接客教育に不備があるからで 何より女を説教するよりも 男を説教した方が見てくれも悪くは無い 周囲の客も私に同情するに決まってる そう決意した瞬間 またバカ女が言い放ちやがったのだ てんちょう〜 このお客さん 大盛りですって〜 いやいやいやいやいやいやいやいや その言い方はおかしい それではまるで 私が並み盛りを注文したにもかかわらず ワガママで大盛りに急遽変更した言い方に聞こえるだろうキイイイイイ と怒りが沸点に達したところで なんだかもおどおでもよくなった 私はカレーを食べたいのだ 何が哀しくて怒りながらカレーを食べないかんのだ もおいい忘れてやろう 俺だって30になって少しは丸くなったのだ ここはひとつ大人な対応でいこうやないか ええ もうええ はよ代わりのカレーを持ってきてくれ と脱サラ店長に告げると あろうことかこの脱サラ店長 持って帰った並み盛りのカレーの上に 追加ご飯を載せ戻ってきやがるのであり おい おいちょっとまて 仮にも商品やろが ご飯がカツの上にのってるやろが 確かに 食い始めたらカツもご飯もいっしょくたになるが だからといってごちゃごちゃの商品を出すなんて いったいどううゆう了見だ それで商品といえるのか そもそも注文をミスったのは俺でなくこのバカ女ではないか なのに何の謝罪も無くきったないカレーを出しやがって 俺はいい 俺はまだいい しかしそれは俺ではなく カレーへの冒涜だ カレーをリスペクトしろよ 謝れ 俺にではなく カレーに謝りやがれ キイイイイイイイと脱サラ店長を 私の知っている限りの罵声を浴びせて 金も払わずカレーを食べずに店を出たのだが どうにも気分が悪いことこの上なし そもそも こおゆう問題が起きたのは 英語カッコいい幻想が根底にあり そもそもカツカレー大盛りと注文してんだから カツカレー大盛り一丁と言えば済む問題であり それをヘタに アメリカにカレーライスなんてないのに 店員は日本人ばかりなのに カツワン なんて英語を言わなければならないマニュアルの存在のおかげで カツカレー大盛り つまりカツワンと言わねばならないプレッシャーに もう女の目は ここで何より重要な大盛りであることを忘れ カツワン に気を取られることで つまり英語教育 英会話を無視して 文法や受験英語教育を良しとする 文部科学省のゆとり教育の弊害・歪みが現れたのであり そしてその犠牲者がこのアタクシ なんでカレーひとつでこんな思いをしなきゃいかんのだ さらには 年末年始まで営業を余儀無くされる 資本主義にも問題があり 接客マニュアルに英語を採り入れるなら 休むときはガッポリ休む アメリカを見習えよ ドゥーユーアンダースタン ファッキンジャパニーズくらいわかるよばかやろお その後 それがきっかけとなり 私と そのウエイトレスは ひとつに 結ばれたとさ 風の便りさ なんてことがあるはずもなく そして僕は 途方に暮れた チンコを握りながら チキショー オカズにしてやろう 僕の 君が 寂しいのならば そおだそうしよお。
|