おひさまの日記
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2010年08月08日(日) |
道路っ端のバーベキュー |
突然鳴った電話に出ると、 それは、以前この日記に書いた野菜直売所のお母さんから。 ちょっと片言な感じの日本語で、
「今日ひま?」
と尋ねてきた。 ナスを焼くからアンナちゃんと食べにおいで、タピオカでお菓子も作ったよ、 そんな素敵なお誘いだった。 ひまじゃあなかったけど、予定の合間をぬって行けそうだ。 いや、行きたいんだ(笑) 私はふたつ返事で行くと答えた。
約束の時間に野菜直売所に行ってみると、 小屋の脇にテーブルとパラソルが広げてある。 バーベキューじゃないか!
私とアンナは出された椅子に座り、 目の前にたくさん置かれているごちそうを目移りしながら眺めた。 んまそー!!! そう、私はタイ料理大好きなのであったっ (*´∀`)
野菜直売所のご夫婦、奥さんはタイの人。 お母さんの息子さん(前のご主人のお子さんなので純粋なタイ人)、 そのお友達、そして私達、日本人3人、タイ人3人、 日本語とタイ語がごちゃまぜの道路っ端のテーブルで、 豪快にバーベキューが始まった。
忙しく動くお母さんに、
「何か手伝うことは?」
と、尋ねると、
「うん、食べること!」
だって。 母国語じゃないのに粋な返しをする人。 言葉はハートから出るんだなぁ。
色々なタイ料理をごちそうになって、 おいしいって笑って、色々な野菜の効能を教えてもらって、 他愛のないおしゃべりもして、楽しい時間を過ごした。 あっという間に時間が過ぎ、ごちそうさまを言って帰ろうとすると、
「お父さんに持ってきな」
そう言って、お父さんとお母さんはでっかい袋を差し出した。 さっき食べさせてもらった料理がみんな入っている。 感激! 私と同じくタイ料理が好きなabuも豪華な晩ごはんに大喜びなはずだ。
帰り道、自転車をこぎながら思った。
ありがたい、本当にありがたいなぁ、って。 私達家族を気に入ってくれていて、いつもよくしてくれる。
「料理作ったよ。 あげるから取りにおいでー!」
と、お母さんから電話がかかってくることもある。 アンナのことは本当にかわいがってくれて、 激辛好きの私達用の料理とは別に、 アンナ用に辛くないものを特別に作って入れてくれる。 食べたことのない料理が袋から飛び出すのが本当に楽しみ。
最初は、遠慮がちにいただいていたし、 お礼にお菓子を持って行ったりしたんだけど、 お母さんは、
「物持ってきちゃダメ! 野菜買ってくれるだけでいい」
そう言う。 それからは素直に甘えてごちそうになることにした。
おいしいって言う度、お母さんは嬉しそうにおおらかに笑う。 その笑顔を見る度、心があったかくなる。 いやなことがみんな吹っ飛んでしまうような笑顔。 不思議な人達。
なんでこんなによくしてくれるんだろう、こんな人がいるんだ、 そう思うとなんだか泣けてくる。 ただただ与えてくれる。 受け取ると本当にうれしそうにする。 それぞれ色々あった人生が交差して夫婦になったふたりは、 野菜と一緒にたくさんのものを与えてくれる。 そして、背中でたくさんのことを教えてくれる。 何も語りはしなくても、ふたりからはたくさんのものがにじみ出ている。
ありがたい、本当にありがたい。 ありがとう、本当にありがとう。
毎日、せかせか、イライラ、私何やってたんだろう… 最近殺伐としていた私の心が、ふぅっと深呼吸をした。
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