パソコンつけていて、予定より遅く家を出る。3時すぎた。
1年以上もなぜか保存していた靴の箱と、制服を入れたジ・エンポリアムの袋を持って。 車で着いた店は、そりゃ変わるはずもなくいつものまんま。
妙に大荷物の私は、ドアの前で少し待って、
「おつかれさまでーす!」
…あれ?誰もいない…。
今日って、誰がいるんだ…?とシフト表を見ると、
あららら、てっきり牛乳さんとメガネがいると思ったら、 牛乳さんは4時から、メガネは「4−8」?なぜか朝番の4時間?
あ、いないんだー…?
とりあえず挨拶文を書いたノートを見て、コメントを拝見。
パラーッと見ると、「あらー結構みんな短文であっさりー(笑)」
プロが「早く帰って来てね」って書いてるのを見て、後は怖くて見れなかった。
主婦が1人、「同上」って書いてた。失礼だと思いません?ちょっと凹む(凹) しかも一緒に仕事したことない人なのに。 いいのっ!他の主婦は好きだからっ!
うーーーん…どうしよう。 日をあらためようかなぁ…でもいかん。ココで返さないと!
とりあえず前を覗くと、新入社員発見。「おつかれさまです!」
「あーお疲れ」「これ、返しに来ましたー」
「あー、とうとう返すん?返しちゃうん?」「はぁ(苦笑)」
「今ねー、メガネさん旅に出てるんやー」
「え?」
「今、両替しに銀行行ってくれてるの」
「…へぇ」
シフトがまたワケわからんですけど、とりあえずいるんやね?
「これ、箱とかしっかり保存してたみたいなんで持ってきました(笑)」
「あーそこ置いとってー」
別にすることもないし、仕事の邪魔しちゃ悪いので。
「ほんじゃおつかれさまですー」帰ろうとしたら、
「えーメガネさん待ってあげなよー(笑)挨拶せないかんやろー」
「いや、もう何回もしてるし、くどいじゃないですかー(笑)」
と、話していたら、メガネが帰ってくる。バタン!
「あ、おつかれさまですー」
「おぉ、おつかれ…」「これ、返しに来ましたー」
「あぁ、いつ帰ってくるん、来週?」
「いや…(笑)来週やったら返しませんて。笑」
「ほんでー、靴どうしたらいいんですかねー」
「あぁー帰ってくるんやから、置いとったらえぇやん」
「ほら、帰ってこなかったらアレですし(笑)」
箱に入れとくだの誰か使うかなぁとか「要さんの中古を誰が使う」とか言われたり(笑)
ほんで前に挨拶。「今誰がいるんですかねーおつかれさまでーす」
「おつかれー!」主婦だ!あの一番店を愛してるという人。
「頑張ってるのー?」「主婦さんも頑張ってますかー!」笑
「がんばってるよー!」
頑張り具合をはぐらかす私。笑
みんな、悲しいぐらい信じてくれてるんだなぁ。辞める理由。
「新商品食べたーい」笑
「定価で買え(笑)」
「えーもう社割ないんですかー!」笑
「信用してないわけじゃないんですけど、履歴書返してください」
ちゃっかり返してもらう私。だってあの写真、嫌なんだもん。
残してたら見られるの分かってるし!ブー!
1年前の資格欄は、寂しいなぁーこれ!笑
特技・パソコンて!恥ずかしい!笑
「あー何回か見たから」って、えぇ!履歴書何回か見たんスか!?笑
「給料明細ください!」「まだや」
あれ、月末やと思ってたら、そうだ。まだ月末が今日だから、締めてない!
「締めてないのにあるわけないやろ」笑
「なんのために今日来たのー!」笑
そんなこんなで。「もうココに入れるんも最後かぁ…おつかれさまです」
「給料明細取りに来たらえぇやん」
「はぁ(笑)」
こないだの学祭のお礼も言って (別に私は注文してないけど、追加注文までしてたみたいだから。 忙しいらしかったのに。) 「追加はいかんって言うてたのに、くそー!●●大め!」笑
いっぱいシフトに穴があいてるなぁって実感しながら。
「ご飯いつ行くん」
あいかわらずサラーッと聞いてくるよね。
「いつ行きましょうかねぇ」
「いつんなったら落ち着くん」
「あ!そうだ!今4連休中なんですよ!下手したら8連休!」
「もー、そんなんやったらシフト入ってよー!」向こうへ行く。
…あたしだって、働きたかったよ。辞めたくなかったよ。
でも今は、後悔してないよ。間違ってないって思ってる。
再び1人になったため、ノートを読もうと思ったけど、ためらってたとき。
帰ってきて「牛乳君もいつ帰ってくるんって書いてたで」
「え」って、ノートをまた見せられる。
あ、本当だ。短文だけど、「んで、いつ帰ってくるの」って書いてる。
そして、オーラが「要、お疲れ!」って、あードライドライ。笑
「あーなんか名残おしいなー!」笑
「ほなここで働いたらえぇやん!」って言うて、またどっか行く。
もう、帰らなきゃ、また働くことになるとかそういうことになる。
小走りで裏にいたS君のとこ行って、
「S君S君S君!あれからどうよ!」←おばちゃん
「あれから…ですかー、何も変わってないですけど、 そろそろメガネさんが他の支店の人とかの話も聞いて、動くらしいですよ。」
あー、そろそろかー…。
「そうなんやー…」
「要さん、帰ってくるんですか?」
「いやー、どうかなー帰ってくるかもこないかも(苦笑)」
「帰ってきてくださいね!」
「S君がおったら帰ってくるよ!」笑
おばちゃん、こういうことは、どうでもいいというか、 特別な感情持ってなかったらいくらでも言えるのにね………(落胆)
最後に大きく息を吸って、見渡して、
メガネが裏に帰ってこないうちに、店を出た。
初めて店に着て行くアシンメトリーなスカートで、最後の貴方に会った。
最後はドアが閉まるまで前に立っておこうって何度も思ってたのに、
いつもと何も変わらず、閉まる前に離れた。
スカートがひらひらして、「なんか、女の子らしいなぁ。私」とか思って。
わざわざそのために着て行ったスカートが、悲しく揺れてた。
髪、切ってたなぁ。ちょっと、疲れてたなぁ。
泣きもしない。何も変わらない。
これからは、この店のことは考えないんだ。
きっともう、帰らないし。
貴方もきっと、最後じゃない。あと1回くらいは多分、会う。
だけど、ご飯行くかどうかはまだ分からない。
また言いそうになった、正直。「じゃあココ入りましょうかー」って。
でもきっと、それを言ったらまた前に進めなくなるから。
みんなのコメントが予想通り(?)短文で、ちょっと背中を押してくれた。
あたしのコメントの後にも、いつもどおり業務連絡は書かれていたし。
それでも、9月4日でさらっと辞めてたら、 こんなに「必要とされてる」って感じられなかったかも。
ずっと働いていれば、傍にいられた。辛くても、傍にはいられた。
だけど、離れる。
私のこと、働く上で必要としてくれるだろうけど、好きにはなってくれない。
無理しないでね。体、壊さないでね。
間違った方向に走ったとき、「筋の通った反対意見」をぶちかましてたから、 軌道修正役かなって、少し自負してた。
仕事としてでも必要とされたら、って思ってた。
でも、それも辛かったよ。やっぱり叶わないのは辛いや。
それがデートでなくても、吉野家ご飯でもなんでも楽しかったよ。
”いつか”奢ります。
貴方が幸せならそれでいいとか、そういう綺麗なことは言えない。
今は同期が妬ましい。正直、それだけです。
ぶっちゃけ「あたしならすぐ会いに行くのに!」とか「そんな我侭言わない!」とか いろいろ知るうえの情報で思うことはたくさんある。笑 でもそれは、彼女に求めることじゃないんだね。 ひたすら可愛さか…………頑張ろう(笑)
でも、ありがとう。いつか本当にお礼を言わせてね。
助手席に乗せてくれてありがとう。たくさんの楽しい夜をありがとう。
貴方のことが、好きでした。
きっとこれからたくさんこの思い出を振り返ってぼやくだろうけど、
前を向いて歩くよ。そしていつか、笑顔で貴方に会うんだ。今度は友達を目指すために。
まぁほら、最終的にコレだけが理由で辞めるんじゃないし?笑
店も好きだった。いいことあったよ!
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