世界お遍路 千夜一夜旅日記

2002年05月04日(土) 「A」をみる

昼間だらだらと仕事をして、ノルマが終わらなかったのだが、sakurannkoさんとの約束、夜9時よりのレイトショウで「A」を渋谷に見に行った。

夜の渋谷はなんか中国の北京か上海のようなエネルギー、これは若者が発しているんだ・・それにしても、この頃の女の子のお洋服って、まるでアジアの娼婦だわ。
そして、筋肉のない身体。ため息がでる。

「A」とは、オウムのこと、だ。
尊師麻原が逮捕されて、1年、オウムの信者や達は次々と味とを立ち退かされ、上九一色村の施設をなじめとして取り壊されていく。
その中で、広報担当となった荒木部長を中心に、彼らの日常をおった映画だ。
思ったことがたくさんありすぎて書ききれない感じだが、まず印象に残ったのは彼らのまじめさと真摯さだ。
価値観の違い・・まさに信仰世界に生きていて世間の価値観とは、それは相容れない。そもそも本来信仰とは、世間の価値観とは対立するモノだしそれはいい。しかし、そのはざまにあの事件が起きたことに問題というより、苦悩がある・・・。
その辺から考えれば、彼らが「麻原」をいまだ尊師として敬うのはよくわかる。わかるが・・・しかし・・だ。
感じるのは、既成仏教の力のなさだろう。
オウムの人の方が、その辺の若いお坊さんより「修行」なるモノをしているのではないか。真摯さにおいて、勝っているのではないかとさえ思ったりする。
荒木部長は強い。こずかれても、食いつかれても、わめかれても、彼なりの精一杯誠実な対応をする。
sakurannkoさんと帰りの電車で話した。「彼は我慢ずよい、いちばん強いよ」と。
世間からのがれるために出家したのに、むしろ逆に世間の荒波にもまれている彼は「もう一度出家したいですよ」と笑っていた。その穏やかさはすごいと思う。

対して、マスコミと、警察はほとんどやくざの世界だ。
人相の悪さ、言葉遣いの悪さ、行動の強引さ、すべてにおいて、わたしたちが「やくざ」と規定するすべての要素を持っていた。
おぞましかった。

それにしても見に来ている人たちは若者ばかり。わたしたちは一番の高齢者だろう。この映画は、若い世代より、その親の世代にみて欲しい。
だって、衣食足った世代が何を求めるのか、が示唆されているからだ。

9日に「A2」を見に行くことにした。

帰宅、12時20分。はい疲れました。
ワインでも飲んで休みましょう。今日できなかった仕事は明日にしましょう。
明日といえる幸せかな、だわ、今日も。


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