ダイドの毎日


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2005年05月04日(水) 小さな命が消えた日

もう日付が変わってしまいましたが…
5月3日PM11:10
我が家のフェレットの『ラクト(♂)』(5歳9ヶ月)が天国に旅立っていきました

ラクトがムー(♀)と共に我が家に来たのは99年9月25日でした
どうしてもフェレット(ペット用のイタチ)が飼いたくてあちこちペットショップを回ったのを覚えています
友達の情報から某ペットショップにいたこの2匹と運命の出会いをし
飼う前におかんからの『動物は死んだ時が辛いからかっちゃダメ』と猛烈な反対を押し切り
まだ生後2ヶ月にも満たない2匹を連れて帰ったんです


この日から体重わずか400g程しかない手のひらほどのイタチ達との生活が始まりました
始めは反対していたおかんもいつしかダイド以上にこの子達に愛情を注いでいきました

近年ではわりと見かけるようになったフェレットですが当時は診てくれる獣医も限られていて
車で1時間以上かかる動物病院まで予防摂取だ、薬をもらいに行くだの通ったものです


特に大きな病気をする事もなくすくすくとおバカに育ち
ラクトは1.2kgまで成長してくれました


そのラクトに異変が起こったのはつい最近の事でした
いつの間にかやせ細り、食事はおろか水を飲む事さえできなくなってしまったのです
1.2kgあったはずの体重が900gまで落ちていました
そして昨日(2日)、おかんが『ラクトが歩けなくなったよ!!』とダイドの部屋にかけ込んできて慌てて飛んでいく
とダイドの目に入った光景はヨタヨタとちからなく這い回っているラクトの姿でした

急いでかかりつけの獣医さんへTELしてみたものの繋がらない
電話帳で何箇所も手当たり次第動物病院にTELしても
やはりGW中という事もありどこも全く繋がらない状態でした

そしてようやく診てもらえるという病院を見つけ、おかんと車を走らせ
1時間以上かけてその病院に駆け込んだんですが
おじいちゃんがよぼよぼとやっているような薄暗い病院で体重も計らず注射を4本され
『おかゆを食べさせれば大丈夫』(本来はあり得ない)と指示され
とりあえず不安になりながら家に帰りました

その後、ダイドは友達と食事に行き、10時頃に帰り
夜通し覚悟で嫌がるラクトに水を与え、栄養剤を与え…
そうこうしているうちに次第にラクトが苦しみ始めたのです
吐き気がするのか、呼吸が苦しいのか口を大きくあけるラクトの
背中を懸命に擦ってやっていました
でもどこが痛いのか、苦しいのか、何がして欲しいのか
どんなに話しかけてもラクトは答えてくれません
こんなに苦しんでいるのに声一つあげず必死で生きようとしていたラクトに
何もしてやれない悔しさといったら…
この時ほど自分の無力さを呪い、長い時間共に生きてきたにも関わらず
気持ちが理解する事のできない自分に苛立ちを覚えた事はありませんでした

大きく息をついたその瞬間、さっきまで苦しそうだったラクトは動かなくなり
確かに開いているその小さな瞳から光が消えました
すぐに寝ているおかんを起こしラクトの元へかけつけました

どんなに叩いても、どんなに揺すっても
その小さなカラダは力なくダランとし、次第に温もりが消えていきました
目は開いているのに、命の輝きがすっかり消えてしまっていました


1時間もするとラクトの唇も指先も紫色に変化し
硬直が始まり、そして冷たくなってしまいました
どんなに呼びかけても消えてしまった光がその瞳に戻ってくる事はありませんでした
夕べはおかんとおそらく初めてだろうと思うけど
ラクトを挟んで3人で寝ました
でも眠る事もできなくて、何度も何度もラクトの冷たくなったその体に触れていました



ラクトは今、小さな箱の中で保冷剤とタオルに包まれ、静かに眠っています
おばあちゃんが亡くなってずっと母子2人で生活してきた我が家に訪れた小さな小さな天使…
小さなカラダで大きな大きな幸せと安らぎを与えてくれた

ラクトは本当におバカな子でした
本来フェレットという生き物はトイレの場所を覚え、
噛みグセも大人になるとなくなる動物ですが
ラクトはどんなに教えてもトイレで用を足す事もなく
すぐ人に噛みつき手に追えないような、でもどっちかって言うとおっとりとした子でした
でも『バカな子ほど可愛い』とは良く言ったもので
本当に心から愛していました
この子達を飼い始めてからというもの、我が家に忘れていた家族の会話が戻ってきたのです
それまで時間のすれ違いもあったけど、ダイドとおかんはほとんど会話もせず
お互い家にいてもあまり顔を合わせる事もなかったのに
ラクト達が来てからおかんと過ごす時間が増え、ラクト達を話題に会話する機会が増えたんです

今、本当に心にポッカリ穴の開いた心境です
この気持ちがどれだけのものか理解できる人も多いでしょう
家族そのもののペットが死んでペットロスと言う心の病にかかる人も少なくない今、
ダイドとおかんはおそらくそうなる事はないと思います
だってムーがラクトより小さなカラダでこれからもまだまだ我が家に笑いと会話を齎してくれるから…

救いは最期を看取ってやれたと言う事、
そして何よりラクトの苦しんでいる時間が何日も続く事無く
普段と変わらない顔で逝ってくれた事です



ラクト、我が家に来てくれてありがとう
仕事から帰って来たダイドを出迎え、いつも膝の上で眠っていたね
お前はどんなにおバカでも、誇りを持って人に自慢できる子だったよ
ダイドからしてみたら6年足らずと言う短い時間だったけど
ラクトの一生分の時間をダイド達にくれてありがとう
何があってもいつも変わらないその愛らしいお前のおかげでどれだけ救われた事か…
天国に行ったらお前の嫌いなシャンプーもないし、大好きだったおもちゃとおやつで
もっともっと楽しい、幸せな生活を送ってください

本当に本当に今までありがとう…


最愛のラクトへ
愛をこめて…


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