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2003年05月16日(金) そして読書三昧は続く。

●双子は運命に操られた末に分かれ、今や違う空の下に暮らしている。かたや夜空の見えない街で星を語り、かたや天才奇術師に……。あまりに面白いので、なかなか先を読む気になれない。一章読み切るごとに、本を閉じて、まったく違うタイプの随筆など読んだりしている。当然、物語の先が気になっているので、しばらくしたら、またおもむろに扉を開く。
 わたしは、もう3日間、双子に取り憑かれている。

●久しぶりに台所に立つ。
 このところの余りに忙しい暮らしの中で、最もわたしを感動させたのは、深夜2時を過ぎてから行きつけの飲み屋で食べた「ゴーヤーチャンプル」だった。ほどよい苦みの残ったゴーヤと、ふっくらした玉子。うっすらした醤油の香り。まともな食事をとらずに酒をくらっていたわたしと恋人は、おそるおそるお店の人にたずねた。「ごはんって、もらえたりします?」
 白いご飯にゴーヤの緑と玉子の黄色をのっけて、口に含んだ瞬間、お米の存在に感動した。だって、それだけで食べるより、ご飯と一緒に口に含んだ方が美味しかったのだもの。あったかくって、甘くって、みずみずしい。
 それが忘れられず、自分で作ってみた。やっぱり、記憶の中の味にはかなわない。料理自慢のわたしではあるが、「美味しい」って思うのは、食べて幸せだと思うのは、決して味だけによるものではないことは、知っている。
 しばらく自分で食事を作ることのできる生活が続く。

●そう。休暇に入った。骨休めがすんだと思える時がきたら、先々の準備にかからねば。
 明日は、コンサートでご一緒したプリンシパルが本拠地で踊るのを観にいく。

※HP Etceteraに「生きてることに身を任せる」をUP


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