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2003年06月26日(木) 入籍に向けて。

●これからどんどん仕事が忙しくなるA氏。相談して、土曜日に、わたしの実家の両親に会いにいくことにする。
 わたしたちが考える、入籍に必要なイベントは二つ。わたしの実家に行くことと、わたしがA氏の家族、A氏父とA氏息子に紹介されること。その一つ目を、あさってクリアするのだ。
 いい歳をして、はじめてのことなものだから、相当どきどきするに違いない。これから長く続くであろう、わたしとA氏の暮らしの皮切りにふさわしい心和む時間が展開するのではないかと、何やら楽しみにしている自分がいる。

●そんな相談をしている最中に、恋人からの電話。今から遊びにいくと言う。午前1時のこと。これがいちばんの好機ではないかと思い、「今日、結婚のことを話すよ」というわたしに、A氏はストップをかける。仕事で疲弊している恋人に与えるダメージを心配しているのだ。
 そうして、わたしはまた、A氏公式認可の元、恋人と夜を過ごす。驚くべきことに、恋人が好きな気持ちは全く変わらないのに、もうわたしはもう揺らがなくなっている。逆に、悪いなという気持ちがこみあげる。きっちり生きている大人に対して、愛し続けてきた人に対して、秘密を持つ後ろめたさ。でも、どうしようもない。彼は、9月になればパリに行き、奥さんと暮らす現実を、変えようとはしていないのだから。

 この日誌を読んでいる人に、わたしの行動は不自然に映るだろうか? 確かに、こうして未だに恋人と平気で夜をともにするわたしは、当たり前じゃない。でも、何が本当で、何が嘘? 常識なんてどうでもいい。わたしはわたしが他者を愛する気持ちに正直で、それをすべて受け止めようとするA氏がいる。わたしはこれからの人生をA氏と共に生きると決めて、恋人との密な時間を捨てる。それだけだ。迷わず、大事なことだけ考えよう。
 未だに、わたしを優しい気持ちにさせる恋人の寝顔を見ながら、そう心に思う。
 


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