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2004年02月28日(土) メランコリック、でも、元気回復。

●仲間たちの新作の稽古場を訪れる。稽古といっても、もう本番を間近に控えた通し稽古。
 内容を説明するのは難しいが、見終わって囚われた感覚を記すことはできる。

……喪われてしまったすべてのもの。善し悪しを問わず、自分の過去を過ぎったものたち。守りきれなかった大事なもの、捨ててしまった大事なもの、去ってしまった大事なもの。明日を生きていくために蓋をしてしまったあらゆる負の記憶。
 自らの掌から零れ落ちていったものが、砂時計をひっくり返すように、自分の現在に立ち戻ってくる。
 見終わって、わたしはしばしセットを眺めて呆然。俳優たちが今の今まで生きていた場所に、自分の記憶までが棲みついているような気がしてしまい……。

 帰ってきてもメランコリックなまま、あれこれと自らの過去と時間を過ごしている。同時に、ここまで人の心を揺さぶってしまう、自分が選んでいる仕事の可能性を再確認し、元気を取り戻している。
 あらゆるマイナスの事象も、すべて強くなるためのレッスンと思い、頑張らなくては。


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