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2004年06月01日(火) 止まらない思い ■ビッグ・フィッシュ(ティム・バートン)

●ああ、人を好きになってしまうというこの感情は、どうしてこうも止まらないのか。この歳になってもちっとも終わらない。これは一生なのかもしれないなあ。結婚もせず子供も持たず、一人で生きてるわたしみたいな女には。
 相手が20代なので、加速度がすごい。離れている恋人のことを思ってわたしが躊躇していても、向こうからぐいぐい攻めてくる。お互いに仕事に夢中なので、毎日会おうとはしないから、狂いすぎずに、救われているけれど、休みが訪れると、離れていた一週間分の思いが爆発する。
 しかし、それもこれも、今だけの一瞬の高揚なのではと、ずいぶん年嵩のわたしは恐れて恐れて一緒にいる。ただ、それを押しても、一緒にいる時間には無上の喜びがある。
 今年の頭から、心と体を害してまで一人で闘ってきたわたしを、彼が一挙に慰撫してくれている。……流れに、また身を任せている自分を情けなくも思うが、避けては通れない今がある。

●ティム・バートンの「ビッグ・フィッシュ」を観て、涙、涙。
 おおらかな愛情、一回の人生をかけて一人の他者を愛しきる姿勢、そして舞台では絶対無理な、映像ならではの美しいシーンの数々。
 仕事前に、一人で目の回りを真っ黒にして泣く。洗ってくれるタイプの涙で心身共にすっきり。仕事場に行けば、愛すべき作品と仲間がおり、今は実に幸せ。

●今週にも梅雨入りかと言われていたのに、今週はまだ晴れ間が見えている。もうしばらく自転車通勤が出来そう。
 そう近くには住んでいないので、たくさんの人に「自転車? 何分かかるの?」と聞かれる。
「全速力で走り続けて30分かなあ」と答えると、みんな呆れる。まあ、確かに、40代の女性には似つかわしくないかもしれない。でもさ、気持ちいいんだもん。風に吹かれると。それに電車に乗っているより、よっぽどいろんなことを感じながら考えながら過ごせる。
 
 勉強一筋に過ごすつもりだった、この、ちょっと時間の余裕のある日々を、わたしは思いがけない展開で暮らしている。それでも、自分の人生を支えるのは自分しかいないので、わずかずつでも勉強を重ねている。それが生きるのはいつだろう? でも、積み重ねていくしかない。


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