サミー前田 ●心の窓に灯火を●

2005年11月16日(水) 原稿

クレイジーグルーヴの宝庫!ニッポン・ロックの夜明け!!

21世紀の現代、大衆音楽ファンにとって1960年代の音楽を聴くということは極めてあたりまえであり、特別なことではないようです。例えばイギリスのローリング・ストーンズやビートルズをはじめ、アメリカのビーチ・ボーイズやジミ・へンドリックスなどなど・・・所謂ロック・クラシックスといわれているアーティストがあらゆる国の老若男女に親しまれているということは云うまでもありません。
では、日本の60年代ロックというとなんでしょう? 
グループサウンズ(略してGS)は、67年から68年にかけてピークを迎えたビート・グループのムーブメントであり、ザ・スパイダースの65年のシングル「フリフリ」あたりを起源とし、昭和元禄の狂騒として社会的にも大きな足跡を残しました。しかし、GSのヒット曲というのは構造的に歌謡曲的であったり、ソフトなものも多く、一般的にはロックとして語られることが少なかったのではないでしょうか。GSの代表曲ではなく、例えばヒットしなかった曲やアルバムの収録曲には、海外のロックと共振した優れた作品や過激な作品が多く存在しており、それらが音楽的に評価されはじめたのは80年代以降のことです。
このオムニバス・シリーズは、GSを中心に’65年から’71年にリリースされた楽曲を「ロック/ガレージパンク」という視点で集めました。当時売れたかどうかということは関係ありません。誰もフ−やスモール・フェイセスを懐メロとして語らないように、時代を超越できる魅力を持った、現代でも充分かっこいいサウンドが選ばれています。黎明期からすでに日本のロックは高いクオリティとインパクトを誇っていたことを証明するシリーズといえるでしょう。


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サミー前田 [MAIL]

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