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ルパン三世 ��
2007年06月01日(金)
先日行った大野雄二さんの JAZZ LIVE のお話を少々。 と言っても、すでに皆さまご存知と思いますが、わたくしは音楽のお話を分かりやすく書くことに於いてはサッパリでございます。(まぁ、他の事もデスが・苦笑) というのは、トウシロだから…。 などと書くと、トウシロとはまた言葉が古い!と YOSHI KI さんから突っ込みが入りそうなので(爆)どういう言葉が相応しいか考えてみたのですが、上手い言い方が見つかりません。部外者とでも言えば良いのかな…、つまり細かな楽器の名前やらテクニックやらなんちゃら(こういう言い方をする時点でトウシロだって)やらが、あっ!つまり専門用語をサッパリ知らないので、語るにも語れず、何と言うか情緒チックな綴りにしかならないので、臨場感も何もないのですが、とココまで書いてくると、わかった!専門家じゃないと言えばトウシロの意味になるのかと気がつきつつ、あ〜わかった、なんだ簡単じゃ〜ん!素人って言えばいいんじゃん♪と今頃やっと気づいたわけで。
素人の書いたライヴレビューでございますから、読まれていたいらいらいらいらされる方もいらっしゃるでしょうが、そこのところご容赦。m(_ _*)m
鎌倉の JAZZ CLUB DAPHNE ↓演奏者リストはこのように 大野雄二 P 俵山昌之 B 江藤良人 D 横山達治 Perc
7時半からのライヴ、お店は7時開店で予約を入れてくれた友人が、人気があるせいか既にいっぱい、相席しかなかったというので開店早々に訪れました。 時計の針は7時を回っているのに、お店の前に数人のひとがたむろしていて、中を覗くと入ってすぐに見える客席のあたりに人相の悪いスキンヘッドの男がひとり、見えない席に座っているらしい誰かと笑いながら歓談中、ちらりと鋭くこちらを見るものの視線は再び会話の中へと戻っていく。
でも時間だし…。友人が「すみません」と声をかけると今度はスキンヘッドが奥へ向かって「お客さんですよ」。というわけでようやく店内へ。一番乗りらしい。予約いっぱい席は相席というだけあって、私達の席は一番後ろの壁面にそったボックスの一つ前のテーブル。
こちら側とそちら側とどちらが良いですか?勿論ステージに向いた方。座席について振り向くと、かのスキンヘッドがチラチラとこちらを見ている。んとに人相の悪いテキヤのような男だが、その向こうに比較的こぢんまりと座っているのは…、もしかしても、もしかしなくても、大野雄二さんご本人ではありませんか。たいてい、それほど大きくないライブハウスだとこういう場所に演奏前のご本人がいらっしゃるのだけど、かのスキンヘッドとは結びつかなかった。
大野さんの第一印象は「普通のおじさん」。目が合うと、「お話しますよ?」なんて気さくに声をかけてくださるのだけど、回りには生徒さん(お弟子さん?)のような若い男女が畏まってかしずいていて、その方たちにかける声は非常に厳しく、実際に目は大変神経質そうでいらした。「演奏前だし〜、別にミーハーでもないし〜」って感じで軽く会釈と愛想笑いで返して、友達と「普通のおじさんよ」なんて言ってました。
しばらくすると少しずつお客さまが増えて差ほど広くない店内の席はあれよあれよという間に埋まって行きます。すると、いつの間にか現われたもじゃもじゃ頭に赤いTシャツを着た小太りの男性の馬鹿笑いする声が辺りに響いてくる。この男性美味しそうにビールのジョッキを飲みながら私のすぐ脇にいて、大野さんはじめ回りの方々とひと言ふた言話しては腹の底から馬鹿笑いをするので、その声につられて可笑しくもないのに笑えてしまうような始末で。
私たちの隣の席には中年のご夫婦らしき男女が、ついそこから散歩がてらやって来ましたというようにして座り、この馬鹿笑い男を半ば呆れ半ば嬉しそうに見ていた。その間にもお店を出たり入ったりした件のゲハ…もといスキンヘッドの兄さんは相変わらずチラチラ見ているし全く嫌な感じだ。と思うと、愛想の良い馬鹿笑い男が話しかけてきて、ひと言言っちゃ自分で受けてけたたましく笑う、といった一連の動きの最中も大野さんは落ち着いていらして比較的尊大な座り方には似合わない小柄で静かな笑み。
なんてことがあり、いよいよ人いきれもたっぷり、いい加減そろそろかしら?というところで、店内が暗くなると演奏者がステージへ向かって歩き出す。
ととと??なんだなんだ!!あの馬鹿笑い男もテキヤの兄さんもかいっ!ええ?うっそ〜?!あのテキヤがドラムかよっ!みたいな。つい声に出して「あの兄さん、ドラムだったのね」なんて声に出してしまうと、お隣のご夫婦の少しだけ加山雄三に似たご主人が「知らなかったの?」なんておっしゃる。「はい、初めてなんです」。 ええ、もう普通のおじさんとスキンヘッドのテキヤの兄さんと、馬鹿笑い男が演奏するだなんて思ってもおりませんでしたわ、などとは口が裂けても言わないが態度にはたっぷり表れていたことだろう。
そして店内は静粛に。
♪ポロポロ ポロンポロン ピーーーーーーーン
いや驚いた!なんというか、もうたった1フレーズだけでもすでに音が生きているんですね。どう言ったら良いのでしょう。さっきまで後ろにいらしたおじさんが、鍵盤に指を乗せて音を奏で始めた刹那には、もう魂というものが入っている。ピアノに魂が入ったのではなくて、ピアノから弾き出される音の一つ一つに魂が。その迫力といったら圧倒されます、さすがです。
そんな音たちが溢れ出て会場がどんどん音に酔っていくような感じ。お隣のご夫婦は既に無我の境地とでもいうのでしょうか、ご主人は目を閉じテーブルの上を両手であたかもピアノがあるようにして叩いていらっしゃる。奥さまの方はしっかりと目を閉じて音にだけ集中陶酔していらっしゃる。さも、この時を待っていた、来るべきところに来たとでもいうように。
笑ってばかりいた男性がパーカッションと楽しいトークで引き立てる。ドラムは…、彼は終始大野さんのピアノをじっくりと聴きながらドラムを愛でていて、まるで体中でピアノの音色によりそうようでした。ピアノを愛しているようにドラムがよりそう。この方のドラムがまた何とも素晴らしいのでした。
繊細でパワフルな演奏は休むことなく一体何曲続いたでしょうね。曲の名前も順番もわからないまま聴いていた一曲は、
都会の夜。高いビルの一室。沢山の窓のその部屋にだけ灯りが点いている。男がひとり、部内はもう誰もいない。遅くまでの残業を覚悟していたが、ふと思い出してしまう…、今日が結婚記念日だったことを。大急ぎで仕事をする。妻の顔が浮かぶ。汗をかきながらネクタイを緩め忙しなく仕事をする。せめて妻に薔薇の花一輪でも買って帰りたい。
地下鉄の階段を昇りきって地上に出ると、辺りはすっかり灯りが落ちて通りに面した店のディスプレイだけがライトアップされて浮かび上がっている。無情に閉じられた格子のシャッターの向こうには美しい豪奢な花たちや可憐な花たちが見える。微笑む妻の顔。溢れんばかりに咲いている花。焦燥が増す。ポケットから煙草を取り出す。日付が変わる前に。悲しそうな妻の顔。
肩を落として歩く。重たい足と黒い鞄。皺になった上着。一本の煙草はほんのふた口だけ。思い直して携帯を取り出すとコールする。会話が始まる。酔っているのでもないのに千鳥足みたいになって「ごめん…」会話が続く。妻がなんといっているのかわからないが、少しずつ男の愁眉が開かれて、目に力が戻る。電話を切ると蘇ったように背筋が伸びる。ようやく肩の力が抜けて軽くなった足取りでリズムをとるように歩いていく。妻がなんと言ったのかはわからない。でもたぶん…。
とこんなことをイメージしながら聴いておりました。演奏の合間にお隣のご夫婦が、大野さんは63歳、熱海のホテルの息子さんだとか、慶応大学では法学部でいらしたとか、色々なことをお話してくださいました。次は来月15日だそうです。
夏のように暑い一夜の、とても大人の曲たちでした。
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