こしおれ文々(吉田ぶんしょう)

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2008年08月14日(木) 吉田サス劇【夏美】(第2部)第15話『魔法のバット』


吉田サス劇【夏美】(第2部)第15話『魔法のバット』



桜が咲き始める3月下旬。


4月から3年生になる俺は
最後の甲子園を目指しグラウンドでバットを振っていた



そんなとき監督に声をかけられる



『悪いけどこの子に打たせてみたいからそこ空けてくれ
 ついでにバットも貸してやってくれ』

監督の横にいたのは
隣町の中学校のユニホームを着た男の子で、
丸刈りで俺より背も小さく華奢な体つきだった


監督に言われたとおり
俺はその場を明け渡し
バットを手渡すと
邪魔にならない位置まで下がり
腕を組みながら何気なしにその丸刈りのことを見ていた。



さっきまで俺に投げてくれていた同級生の木村が
そいつに向けてボールを投げる


年功序列でしかレギュラーを確保できない俺とは違い
木村は去年から2番手ピッチャーとして試合に出て
それなりの活躍をしていた。



そんな木村が放った一つ目のボールは
丸刈りがバットを振った瞬間、
聞いたこともない金属音を鳴らして
グラウンドの外まで飛んでいった・・・。



2球目、3球目、4球目と
中学生相手に
本気の目をした木村が放ったボールも
コースこそ違えど【枠の外】まで飛んでいったことには違いなく
上級生の・・・いや高校生の威厳など全く示すことが出来なかった


さっきまで俺が使っていた普通の金属バットは
どんなボールも飛ばす魔法のバットになっていた



『いや〜
 この打球が4月からうちの戦力になったら
 これ以上心強いことはないなぁ〜
 甲子園が少し近づいたんじゃないか??
 わっはっはっはぁ』


その打球に
上機嫌だったのはうちの監督と
レギュラーが確定しているメンバー。


俺を含めた
年功序列でレギュラーを確保しようとする連中にとって
この丸刈りの出現は
自分の地位を揺るがす不安要素でしかなかった。


4月。


学校のまわりに植えられた桜は
ここぞとばかりに咲き乱れている。


あどけない顔の一年生が
真新しい制服を着て登校している。


前より髪の毛の少し伸びた【あの丸刈り】が
うちの高校に入学し
正式に野球部に入部したことにより
2年間続いた俺の補欠生活は延長確定となった。



甲子園の予選が始まる前に
夏が来る前に
桜が散る前に
俺の高校野球は終わった・・・。




『ポジションはどこがいい?』
監督が聞くと丸刈りは答えた。



『基本はセンターですけど
 中学時代はたまにピッチャーもやってました』



この瞬間、
丸刈りが2番手ピッチャーも任されたため
木村の高校野球もほぼ終わった。




2008年08月13日(水) 吉田サスペンス劇場【夏美】 第14話『大学生が殺された日その� 戮里△�

吉田サスペンス劇場【夏美】 第14話『大学生が殺された日その� 戮里△�


※第8話『大学生が殺された日その� 挌歓�


  下着のままだった私は自分の服を着て、
  凶器となったバットはもちろん、
  自分が触った家のモノから指紋を拭き取り、
  布団の上やベッドのまわりにある自分の髪の毛を拾い
  ティッシュにくるんだ。
  最初は動揺していたが髪の毛を拾っている頃には
  思った以上に落ち着いている自分がいた。
  『大丈夫。私と彼の関係がわかる訳ない。』
  自分にそう言い聞かし、
  洗面台の鏡でボサボサな髪をクシでとかした。
  最後に、彼がゴミ箱に捨てたコンドームを取り出し、
  またティッシュにくるんで、
  髪の毛をくるんだティッシュとともにバッグに入れた。
  私は玄関の扉を開け、外に誰もいないことを確認すると、
  彼の部屋から出てエレベーターを使わずに階段で一階まで降りた。


玄関のドアが閉まる音を最後に
大学生の部屋は静まりかえる・・・。


沈黙の時間が過ぎていく・・・。


・・・



・・・



・・・



ギ、ギギギギ・・・・。

鈍い音を立てて扉が開いた。


この家のもう一つの部屋が表れ
中からオレンジ色の西日が差し込む。


となりの部屋の扉を開けた【人間】は
中の様子を確認すると
西日を背中に浴びながら
倒れている大学生にゆっくりと近づく


流れる血をよけながら顔をのぞき込んだそのとき
突然大学生の口が動いた。


『た、たあぅ・・・うぅ・・・・』


空気だけが抜けた聞き取れない言葉であっても
それは明らかに助けを求めているに違いなかった。

いまにも飛び出しそうなくらい眼球に力が入り
言葉以上に助けを求めている。
そして血まみれになった手を
ふるえながら傍にいる【人間】へと少しずつ伸びていく


『死に損ない。見苦しいんだよ』


【人間】は立ち上がるとハンカチを取り出し
床に転がっていたバットをハンカチ越しに持ち上げた

そして狙いを定めると
一気にバットを振り下ろし大学生の頭に叩きつけた

『あぎぃぅ』

大学生の最後の声か
それとも顔面が床に叩きつけられたときの音か


どちらかは不明だが
この異音を最後に大学生はピクリともしなくなる。


【人間】はバットを元の位置に戻し
ハンカチを畳んでポケットにしまうと
隣の部屋から自分の持ち物であろうバッグを肩にかけ
大学生の部屋から出ていった。




そしてこの部屋はまた静まりかえる




数日後、遺体は発見され
大学生は、【自殺した主婦の手によって殺された】
・・・ことになった。


主婦の犯行として決定づけた証拠は
髪の毛、指紋、そして大学生の体に付着した体液などなど
【主婦がこの事件に関わってたこと】を
疑う余地のないモノばかりであった。


そんなこの世に2つとない主婦の一部は多数発見されていたが、
主婦が写っている【画像】や【動画】といった媒体は
何一つ発見されておらず、
捜査した警察ではその媒体の存在すら知るよしもなかった。



それともう一つ
大学生が殺された日、
【バッグを肩にかけた人間】が
この部屋から出ていったという事実も
沈黙という闇の中へと消し去られた。






2008年08月12日(火) 吉田サスペンス劇場【夏美】 第13話『大学生が殺された日その�Α�


吉田サスペンス劇場【夏美】 第13話『大学生が殺された日その�Α�



振り下ろしたバットが彼の後頭部に当たり
私の手首に
いままで受けたことのない衝撃が走る。


私が殴ったというより
逆に私の手首が殴られた感じ


この重くて鈍い衝撃は
しばらく手首からなくならなかった・・・。





ゴム製品を捨て
服も着ないままタバコに火をつけた彼が、
私に言い放った一言。


『もう来ない』という私の意思表示に対する一言


だらしない背中から聞こえてきた一言に
私は立ちくらみのような感覚に襲われたじろいだ


しだいに速くなる鼓動。


慟哭とともに私の肺に入ってくる酸素は
タバコの煙とセックスの臭いに汚されていた


彼と出会い、最初は【興味】だった彼への気持ちは
【慈愛】へと変わり、
体を重ねた分だけその深みを増していく。

騙されていたことに気づき、
それでもまだ【同情】で踏みとどまっていたのに
あの一言によって少しずつその風貌を変えていく。


背中を小刻みに震わせケラケラと彼が笑い、
品のない声が部屋中に広がる

顔を向けていないのに、
背中しか見えていないのに、
彼の薄ら笑いが私には見えた

そのとき私の中で何かがはじけ、
傍にあったバットを手にする。


手首に衝撃を受けたあと、
彼の背中はゆっくりと横へ倒れ込む。

左に90度傾いた体は
床の上でヒクヒクと痙攣していたが
しばらくして動かなくなった。


笑いながら小刻みに動いていたあの背中
部屋に充満する薄汚れた空気の味
セックスを終えたあとの独特の臭い
そして彼のあの一言

この部屋に漂うすべての薄汚れた感覚が
私の五感にこびりつく。



 アンタガヒーヒー喘イデル画像ヤラ動画ガ
 高ク売レタトコダ
 アンタカラモラワナクテモ
 シバラク不自由シネーヨ

 世ノ中ニハ
 イロンナ趣味ガアルカラ
 アンタミタイナオバサンデモ
 マダマダ利用価値アルンダヨナ

 ストックナクナッタラマタ撮ラセテヨ 
 アンタモソレデ気持チ良クナレルンダシ
 ツギカラハ分ケ前ヤルカラサ
 
 ケラケラケラ・・・
 ケラケラケラ・・・
 ケラケラケラ・・・
 ケラケラケラ・・・。






管理人:吉田むらさき

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