水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
| 2005年01月26日(水) |
大沢在昌『六本木・うどん』 |
鈴木光司「サイレントリー」(新潮文庫)の心地よい余韻を楽しんだあと、 本屋さんで、ラブを読もうかミステリーにしようか迷っていたら、!発見! 「ときめき恋愛ミステリー館� 忻∈册科幻砲任后�ラブとミステリーが一緒に なっている上、7つの作品のメンバーは名前だけでワクワクさせてくれる方々 ばかり。編者は文庫の解説を執筆している山前譲。
オビが良いです。ひねり過ぎず、気負い過ぎず、単純明快なので、スラスラ 読めそうな気がします。オビは大事ですよー。本屋さんで見てね。
最初の恋愛ミステリーは、大沢在昌の『六本木・うどん』 「新宿鮫」(タイトルは知ってるけど、まだ読んでません)の大沢在昌は、 そのうち読もうと思っていた作家のひとり。そのうちそのうちと思いつつ、数年 過ぎちゃっていたんです。ここで出会わなかったら、ずっと会えなかったようで 山前氏に感謝です。
『六本木・うどん』は、麻布署の隣にある立ち食いそば屋で、うどんを食べながら、 ふたりの男が事件について語ります。ひとりは刑事。ひとりは──。
立ち食いそば屋のあわただしさと、舞台が六本木だという雰囲気はキッチリ。 隙がないというか、ツルッと読んでしまいました。 事件の背景があまりに短絡的で、呆然。殺人は友情の証しにはならないのよ。 と、犯人に言いたくなります。
| 2005年01月17日(月) |
鈴木光司『サイレントリー』 |
短編集「サイレントリー」(新潮文庫)の最後の物語で表題作になりました。 塾の講師と生徒の回想が静かな時を刻む「サイレントリー」。読後感は やわらかであたたかで、この本を閉じてしまうのが惜しいほど。
講師の妻は赤ちゃんを産んで、すぐに亡くなり、生徒は幼い頃に両親を 亡くしていたのです。生徒が「心に残るワンシーン」というタイトルで小論文を 書いている間、講師は妻との思い出を数え、生徒は父と母を想います。
なにげない日常のひとこま、ちょっとした会話が、遺された者にとっては、 最愛の人とのかけがえのない絆になるんですね。明日になれば、今日の ことは思い出に変わる不思議。。明日につながる今日を、もっと大切に しなくちゃいけません。
そして、大切な人はもっと大切に。愛する人には笑顔を向けていたいです。。 (↑照れ照れ)
不登校の娘と、しっかり向き合うことを決意した父に、娘は難題を出します。 「一輪車に乗って」って。子どもはラクに乗りこなす一輪車でも、50歳過ぎた サラリーマンにはムリな話。乗れたら、娘が心を開いてくれると信じる父は 練習を重ねますが、乗れないまま、クモ膜下出血で倒れ──。
鈴木光司のホラーもいいけど、家族を守るために戦う父親の物語も、ぐぐっ ときます。どうしても学校へ行けなかった娘が、なんとか学校へ行けるように なったのは、一輪車に乗る父じゃなくて、生きるためにリハビリをする父の 姿を見てというのには、胸をしめつけられます。せ、せつない。。
お父さん、と聞いて、パッと浮かぶあなたのお父さんは何をしていますか? 逆に、あなたのお父さんが、あなたのこと聞かれたとき、あなたはどんな 顔をしているでしょう?ふたりとも、笑顔だったら嬉しいですね。
| 2005年01月11日(火) |
鈴木光司『人生相談』 |
「サイレントリー」(新潮文庫)5番目の物語は、未婚の母で不倫中の女性が 主人公です。ルポライターという仕事を持ち、講演会もこなす彼女の元に、 不倫相手の妻が現れ──。
なんだかイヤなお話です。主人公はどうやら妊娠してるらしいし、妻は 大きなお腹をかかえて、バギーに赤ちゃんを乗せ、幼い男の子を連れ、、 講演会の後のサイン会にやってくるんです。うひゃ!妻には、子どもが このままでは3人!愛人にも、赤ちゃんが!
うーむ、不倫相手は何考えてるんですかっ!! 主人公、恵子さんをどうも好きになれないのです。新しい女性の生き方だなんて、 勘違いですって。自分を尺度にしてるのが、なんだかねぇ。。
恵子さんは自分の都合のいいように、何でも解釈していくのに、読み手だけが 取り残されていくようで、、ズレを感じるばかり。すっきりしません。
| 2005年01月06日(木) |
鈴木光司『枝の折れた小さな樹』 |
家族の死というのは、高齢でも、諦めがつくものではないとよくいわれます。 80歳でも90歳でも、ここまで生きたのだから充分だなんて思えないですし、 あと1年、半年でも、まだ生きられたのではと、思いたい。でも、気持ちに ひとつ区切りをつけるためにも、与えられた寿命だったと思うしかないんです。
高齢者でも、その死を受け入れるのは、容易なことではないのに、10歳の 愛娘が病気で死んでしまったら……残された家族の悲しみは、想像の範囲 でしかなくても、胸を塞ぎます。『枝の折れた小さな樹』は、10歳の娘を失い、 悲嘆にくれる父に、妹思いだった兄がCGを使って、送ることができたであろう 幸福な一生の映像を見せる物語。小学校4年の夏に死んでしまった娘は、 バーチャル映像の中で、憧れの学校へ進学し、結婚して子どもを持ち……。
どんなに悲しみにくれても、残された家族は、毎日を暮らしていかなければ なりません。死んでしまった者にも、愛する者の死という苛酷な試練があり、 平凡ながら幸福な人生だったと思い巡らすことで、また歩き出せるのです。
いろいろ考えさせられて、ずっしりきました。
| 2005年01月05日(水) |
鈴木光司『結婚指輪』 |
結婚して初めて知る相手の性格って、ありますよね。 じゃなくて、相手を見る目が変わると、その性格も違って見えるのでは!? 繊細で細やかなところが好ましく思えていても、一度嫌いになってしまったら、 神経質で細かいところが疎ましくなってくるんですよ。細かいことを指摘する 男性を心良く思う女性は、いないです。
『結婚指輪』に登場する加納は、粘着質で、ホントにイヤなタイプ……。 だから、奥さんに離婚をほのめかされるんです。うーむ、このままでは、、、 いいかい?ズバリ言うよ。離婚するよ。と、昨今人気の占い師は言うでしょう。 加納は自分でも、妻に疎まれる理由がわかっていながら、またまた嫌われる ような行動に出てしまいます。仕方ないですねー。性格だから。
加納にも妻にも心当たりのない一枚の写真が、不気味なミステリーの味わい をだして、冷たい夫婦関係を一段と冷たいものに感じさせます。 まあ、結婚こそ最大のミステリー。先が読めません。
| 2005年01月04日(火) |
鈴木光司『大山(だいせん)』 |
別れた妻と子どもに会うために、山陰本線で長崎へ向かう染谷が半生を 振り返る物語。昨日読んだ三喜男に続き、染谷も妻との出会いをしっかり 覚えています。男の人って、みんな、こうなんですか!? 軽い眩暈でクラッ。。。大切な人との出会いの一部始終を覚えているのは、 自分の人生も大事にしているということなのでしょうか?
小説から受ける染谷の印象は、正直で真面目で、一生懸命なんです。 そんな染谷が妻子と別れるきっかけとなった、世に言うバブルって、目には 見えない魔物みたいで、怖いですね。借金で離婚というのも哀しすぎ。。
ラストは、あー良かった良かったの安心型。 わたしなら、夫の借金返済まで郷里で待つなんてできないです。 借金なら、わたしが返します。なんて。笑
| 2005年01月03日(月) |
鈴木光司『目覚めれば目の前は海』 |
2005年の初読書は、鈴木光司「サイレントリー」(新潮文庫)を選びました。 「リング」のイメージが強烈な鈴木光司ですけど、短編集では、ぜんぜん違う 雰囲気を楽しめます。裏表紙には“人生をいとおしむ静かな7つの物語”って ありますから、人生をいとおしむ一週間にできたらいいなと思います。 (毎日更新できる?できそう?できます、できたら・笑)
最初の物語は『目覚めれば目の前は海』。 24年前、妻と出会った瞬間の光景を思い出す三喜男が、出会いから結婚 までを話す相手は……。 こんなふうに出会いのときを鮮明に覚えていてもらえる妻は、幸せでしょう。 出会いのときだけじゃなく、行きたい場所、言った言葉、どんな服装で、仕草 は、こうだったとか。。
人が、結婚するのは、誰かに自分のことを覚えていてほしいからなのかと 思えてきます。結婚しなくても、誰かを愛するのは、誰かの胸に自分を深く 刻みたいから。そして、誰かを強く受け止めたいからなのかもしれません。
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