待ち合わせの場所に行くと、 もう既に大きなカバンを抱え、彼が立っていた。 どんな人ごみの中でも、すぐに見つけられる特別な人。 彼も私を見つけると、すぐに満面の笑みを浮かべた。 私を愛しく慈しむような、優しい微笑み。 おかしな話だけど、久しぶりに会って、 この笑顔を見られた瞬間、 「私は、この人に愛されてる」 そんな風に、いつも感じるんだ。 言葉を交わさなくても、分かる。
私は、彼に買ってもらったティファニーのネックレスを、 手に握り締めていた。 会ったばかりの彼に、それを無言で差し出す。 肩甲骨まで伸びた髪を手で束ね、後ろを向くと、 彼がネックレスを私の首に取り付けてくれた。 不器用な、大きな手。 いつも暖かいその手が、私の首筋にそっと触れる。 ゆっくり、ゆっくり、確かめるようになぞっていく。 「会いたかった」 そんな彼の声が聞こえてくるみたい。
笑いながら、地下鉄の階段を降りる瞬間。 数段先に進んでいた彼が、くるりとこちらを向いた。
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明日はついにダーがやって来る日。 2週間って早い。 でも2週間待っても、一緒に居られるのは2日間だけ。 正確には1日半だけ。 そんなんじゃ足りないよ。 たくさんダーと行きたいところがあるのに。 またお預け?
限られた時間しかないんだ、って思うと、 妙なプレッシャーを感じる私。
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ダーは今日も飲み会。 ってゆーか送別会。 毎日色んな人に誘われて、夜の町へ繰り出しています。 「身体平気なの?」とか「引継ぎ大丈夫?」 とかいう私の心配を無視して。 「せっかく誘ってくれたんだから」と言って、 いそいそと出かけるダー。 んでもって「もう疲れたー。死ぬー」って 夜中に電話かけてくる。
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幸せについて、考えてみる。 私にとっての幸せ。それは… 美味しいものをたらふく食べているとき。 好きな香りのバスエッセンスを入れて、ぬるいお風呂に浸かっているとき。 心の中から、するすると言葉が紡ぎ出せたとき。 仕事帰りに、綺麗な月を見つけられたとき。 そして。 あなたと優しい時間を過ごせたとき。 それが最上級の幸せ。
けれど恋心は、満たされるときが無くて。 いつもどこか乾いている。 寂しくて、もがき苦しんで、醜い自分を曝け出し。 時には逃げ出したい気持ちにもなる。 どこまで行っても、終わりのない旅。 あなたと死ぬまで一緒に居られたら。 あなたの頭の中を私のことで埋め尽くしたら。 あなたがすべての愛を注いでくれたら。 満足できるのかしら? 凶暴で、残酷で、エゴで塗り固められた私の恋心。
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異動が決まった、うちのダー。 突然の話しだったので、引継ぎやら、送別会やらで 超多忙な1週間を送ることになりそうです。 今日も飲み会で、深夜になってから電話がありました。 それなりに楽しい会話をしていたのですが…。 再来月の航空券の話になり、私はあっちが安い、こっちが安い、 と格安航空券のサイトを見ながら熱心に話しかけたのですが、 ダーはあんまり乗り気じゃないみたい。 疲れてるのは分かる。 私だって疲れてるんだし。 でもこういうことを先延ばしにしていると、 気付いたときには高〜い航空券しか残っていなかった、 なんてこともあるわけで。 話せるときに話さなきゃ、と私は考えていたのですが、 ダーのやる気の無さに、ちょっとムカっときてしまいました。
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