みょうの日記
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2010年05月27日(木) |
宮崎県の口蹄疫対応は「法令違反」 |
不思議な話だ。 口蹄疫問題では殺処分頭数がすでに12万頭を超えたというところまで、把握している。数日前の話だから、今はもっと増えているだろう。
そして、豚の感染力は牛に比べて強力なため優先してと殺しなければならない。けれどその後に埋却する土地が不足しているために、それすらなかなかままならない状態が続いている。
そんな中、なぜ政府は現在感染の症状が出ていない状態の種牛49頭に限って頑強に早急の殺処分を強要するのか。 口蹄疫を発症している豚や牛を後回しにしてまで、種牛の処分を急ぐ理由がどこにあるのだろうか。
ついに声高に主張し始めた政府による「県の初動体制の遅れ」。
ここに至るまでの放置っぷり、続く対応の遅さ、一転しての全頭殺処分、わけても日本畜産の要である種牛へのみ執拗かつ早急なる殺処分の強要。 口蹄疫問題だけではない。一年にも満たないこの政権の迷走(実は確信犯ではないのか)っぷりには、首をかしげるばかりだ。 いったいこの政権は日本の味方なのか敵なのか。
日本は獅子身中の虫を抱え込んだのかもしれない。
さて、この十日ばかりの間に「予告どおり」口蹄疫問題が一気にマスコミに取り上げられるようになった。 そして「予告どおり」県・地元に対する不穏当な意見もチラホラ見受けられるようになった。 あろうことか、報道の自由を嵩に非常識な現地取材を試みた局もあったらしい。 いったい何を考えているのか。
どれが正しく、どれが単なる噂で、どれが嘘なのか、ネットではその辺りを鑑みつつ情報を入れていかなければならない。 けれど、テレビマスコミの切り取り済みの報道の一片だけを鵜呑みにするのがどれほど危険なのか、今回の騒動で目が覚める思いだった。
マスコミの切り口は非常に巧妙だ。 政府の対応はお粗末な上に見当違いで高圧的。なおかつ隙あらば責任逃れの言い訳でお茶を濁そうとしている。そんな政府の所業を少しの批判と映像の擁護を混ぜながら、巧みに視聴者の意識操作をしているような気がする。 国の対応も悪かったが県も対応が悪かったんじゃないか? 最初の発生を見逃した地元に問題があったんじゃないか?
真実はやはりネットにある。あらゆる情報を収集し多角的に見て判断するべきだ。 地上波では流されない国会中継も、実は各政党の理念や姿勢を知る上で大きな判断材料になるものだったと改めて感じた。こういうものを見ずにテレビで流されるだけの薄いイメージで投票してはいけないのだと。
そして昨日。 放送法改正案が強制採決によって可決された。 「既存の放送局は除外、ネットなど多数の人が見るものを「放送」と定義しこれを大臣権限でストップがかけられる」方案だそうだ。
前回、歯がゆい思いで見ていると書いた口蹄疫。 実をいえば、某巨大掲示板では9日10日辺りから近々報道解禁されるとかされないとかいう噂が出ていた。 「地元による対応の遅れ、現政権は救世主のような扱いで報道する方向だからよろしく」などというフザケた書き込みさえあった。 そして、ここ1,2日ほど前から急に一大事のように報道され始めた口蹄疫問題。
さすがに「救世主」はなさそうだが、県の初動対策の問題がいろいろ取り沙汰されている。しかし今頃「早急な対策を」と指導している国の初動対策も大いに問題ありということをもっと報道するべきだ。 すでに三週間は経っている。 三週間も放置していて今更「早急な」も何もない。
今は国の支援が不可欠なだけに地元ではあまり政府批判はできないだろう。 少なくともこの三週間、県および各方面はがんばってきた。選挙パフォーマンスだなんだと揶揄されながら自民党もがんばっていた。
まさかとは思うが、この時期この問題を大々的に取り上げたのは、誰かのくだらない転倒パフォーマンスと同様に、重要法案強行採決の目くらましを狙ったものではないだろうね。
現在、宮崎県に発生している口蹄疫問題。 どうしてここまで報道がなされていないのか、歯がゆい思いで見ている。 この期に及んで言い訳ばかり先行している民主党政府。 この数年来の日本の危機に、麻生政権が始めた経済対策が効果を顕し始めたこの時期に、経験も底も浅い党に一任して大丈夫だろうか、という懸念があったわけだが、この懸念がまさか予想以上の結果でもって現実化してしまうとは思わなかった。
昨日の国会中継では、終始「風評被害を抑えるために」と繰り返していたが、何より優先して抑えるのは「風評被害」よりも「口蹄疫の拡散」ではないのか。 殺処分される牛や豚が8万頭近くにまでなってから報道規制を緩めるというのはどういうことか。事が甚大になってから「実は〜」と言われる方がよほどパニックを起こすのではないか。 「マスコミのご協力により幸いにも風評被害を防ぐことが…」との発言に軽い眩暈を覚えてしまった。 民主党が抑えたかったのは「風評被害」ではなく「政権の失態」としか言いようがない。
日本の畜産業の危機等の話は、ネットではたくさん取り上げられているので、説明下手な自分がここで書くことは控えるとして少し別視点で言いたい。
この疫病は、主に偶蹄目の動物がなる病気なので、基本的には馬(奇蹄目なので)や犬猫などの動物には発症しない。 とはいえ、先ごろのブームでミニ豚をペットにしている方も多くいるだろう。 先日、家の近くでも豚を散歩させている人を見かけた。家の近所には(なぜか)山羊を飼っている人がいる。動物園にはキリンや象がいる。偶蹄目は当たり前だが家畜だけではない。
宮崎で抑え込みが失敗すれば、殺処分は家畜だけに留まらない。 愛するペットをこんな形で失うと思えば、決して対岸の火事ではないのだ。
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