月の詩
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思い出は、 時間とともに、 淡く形を変える。 一緒に居た日々より、 別の道を歩み始めてからの 時間の方が遥かに長くなって。 もう、どんな風に想っていたのかさえ、 わからなくなっています。 私が過ごしたこの日々は、 想い続けていたあの日々は、 一体なんだったのでしょう。 これほどまでに褪せるなら、 こんな想いは抱えなければよかった。 あんなに長い時間を、 想うことに費やさなければよかったと、 後悔さえ、感じています。 それでもなお、かすかな欠片を残しながら。 褪せてもなお、かすかな残像を残して。 できることなら、私に未来を下さい。 褪せた過去は忘れてしおう。 できることなら、新しい未来を。
全部、記憶も思い出も放り投げて、 空の彼方に棄てて仕舞えれば良い。 なんてことない、ただの過去になれるように。 長過ぎた片思いでも、 それでも好きでいて良かったって、 思える日がくるように。
逢いたいとか、 好きだとか、 せめて一目だけでもとか、 認めてしまうと、 自分が苦しいことに気付くから、 本心は探らない。
どんな言葉に換えても、 換えられない。 美化しないで、美談にしないで、 そんなものじゃないの。 遠く離れてしまった。 それだけのこと。
そしてまた、同じパターン。 繰り返しても、なんの解決にもならないよ。
しちゃいけないってわかっててもさ。 つい、ね。 それは救いで断罪だ。 罰よ。 もうあのころの私も彼もいないのにね。 いつまでどこまで追い詰めよう? でも現実はみたくないから、 いつまでも空想の中。 いつまでも記憶の中。 私も彼も、ここにはいないの。
くずれても、きえていかない、 10ねんが。 それが『むかち』になっていくのが、 たえがたくおもうほどの、 きもちものこっていなくて。 むだにすごしたなんておもいたくはない。 でも『げんじつ』がそうならば。 いったいわたしのこの10ねんはなんだったのか。 かなしいということも、 むなしいということも、 ぜんぶが。 くずれてなくなっていく。 たったいちまいのしゃしんが。 わたしに『し』の『じゅんび』をさせていく。 『し』のいめーじがぐたいてきで。 すこしおくびょうになって。 いまはまだ『し』はいらないと。 おもうそばから いめーじはふくれていく。 『じかん』をもどして。
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