月の詩
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きりりと背筋を伸ばしたくて。 雨なのに無理して履いたミュールはピンヒール。 私、一人で大丈夫。 ほらこんなにまっすぐ歩いてるでしょ?
日常に流され過ぎて。 時間の中、自分が見えない。
ただ、そんな夢をみるだけなら良いでしょう? 誰にも言いません。 そんな希望があることなんて。 誰にも秘密にしています。 こんな私を。
いつまでも、その名残りの中に。 できることなら。 現実を夢にして。 夢が本当ならいいのに。
淡い灰色の空を。 見上げて思う。 私が見る空と 彼の見る空は、 同じ一つのモノだけれども、 その色はきっと、 大きく異なる。 グレーの空。 遠く彼の上に広がるのは 天気予報じゃ青空。 私の上の曇天は。 さらに濃度を増した。
そこにあった色を、 そんなに簡単に塗り替えちゃって。 忘れても、忘れられても、 いいの?
覚醒の熱を。 覚醒の痛みを。 自らの記憶のうちに 見い出したなら。 この胸に宿った炎で、 この胸に目覚めた炎で。 全てを焼き付くせ。
せめて夢の中ででも。 目覚めたら、 たとえどんなに悲しくても。 時間と距離が比例している。 どんどん遠くなるばかり。 夢をみた。 とても嬉しい夢で。 それはとても悲しい夢で。
『貴方』を『彼』と おきかえて、 忘れるための距離をとる。
少しずつ。 洗い流せ。 雪のように残る事無く。 流れて何処かへ。
忘れていた炎を思い出して。 『想い』は『迷い』だ。 すべて灼き尽して。
天より落ちる。 冷たい雫よ。 私を凍えさせ、 身体も心も凍り付かせよ。 もう何も感じなくてもいいように。
雨を恵みというのならば、 記憶を洗い流せ。
それでも流しきれない。 想いはきっと残ってしまうのだろう。
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