「この頃 思うんだ 言わないけど きっと」少年は満月に呟く世界はこの屋根から見渡しても広すぎて全ては見えないそれでも少年は少しばかりの見えない未来を予感する力を持っていた街路を大人が歩くそして彼は考える「この頃 思うことがある 揺ぎ無い確かなものを感じていたのに それなのに」満月を雲が覆う風が柳の木を揺らしその姿を見せる月光を受けた窓枠を見つめながら病気の少女は考える「この頃 思うことがある 私はその時 きっと笑うわ 世界を知る瞬間を」