便蛇民の裏庭
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いい年して泣いて頭イイコイイコしてもらって 泣き腫らしてすっごい不細工で それでも可愛いって抱きしめてくれるきみは、 ぼく以上にイカレているんだと思う。
現実逃避の末に生み出した幻かもしれない。 つかんだら消えてしまうかもしれない。
きみと穏やかにゆるゆると流れていく時間は ぼくを生へと導いてくれる。
突然きみが消えてしまったら ぼくは上手に現実に戻れるだろうか。
ピルをとりに行った。
前夜からの突然の大雪でバスは20分遅れ。 水分をたっぷりと含んだ重たい雪がわさわさ降ってくる。
「おはようございます」 「おはよう。あれ、チビちゃんは?」 「チビちゃんは幼稚園です」 「早いなー」
毎回毎回この挨拶で始まる先生との会話。
「で、便蛇民さんは今日は薬出すだけだったっけか?」 「いや『次回は血液検査ね』っていってましたよ」 「そっか、じゃぁ半年にいっぺん検査しておくか」
昔貧血がひどかった頃、四六時中検査で血を抜かれた。 しかも血管が細いからと何度も針を刺されたり中で探されたり。 怖くて見ることができなくていつも顔をそむけてた。
今はっていうと、じーっと見てます。 針が刺さるのを。 中に血液がチョロチョロたまっていく様を
『いきなり、血液が緑とか青だったら怖いだろうなー』
とかぼんやり思いながら。 1本目はけっこう簡単に採れるけど 2本目3本目となるとなかなかたまらない。 それでも昔に比べたら出はイイ方だ。
この血は、父と繋がってる。 この血は、母と繋がってる。 この血は、子供たちと繋がってる。
そして相方とは、繋がっていない。
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