大切な人が、悩んでいる大切な人が、苦しんでいる。そんな時に気の利いた言葉ひとつかけられない自分の不器用さとボキャブラリーの貧困さが、嫌になる。ほんとはずっとそばに付いていたいの電話の一本もかけたいの。励ましのメールでも送ってあげたいの。でもそれすらためらってキーボード打つ手が携帯番号を押そうとする指が宙に浮いたまま固まっている。