Sotto voce
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2004年04月03日(土) 回想。

ある人の日記を読んでいて、

同じようなことを1年前に経験したことを思い出している。

そのことは過去日記でつづったりしているから、

以下の文はその繰り返しになると思うので、

ぴんときた方は無視するなり読み飛ばすなりしてください(笑)

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ある事件がきっかけで、私を含め周囲の友人知人が、

とある男性から一方的に友好関係を断ち切られた。

一度敵とみなした人物に対しては、徹底的に罵倒し

その人物がいかにひどい人物であるかをまくし立て、自分は被害者だと主張する

彼の思考回路の一部に疑問というか、理解できない点を感じてはいたが、

それを除けば彼はよき夫よき父親、社会人として常識ある人だというのが

我々の彼に対する評価だった。

ところが、自分が彼にとって(彼が言うところの)『裏切り者』となったことで

その評価を覆さざるを得なくなってしまった。



彼は常々、私のことを『大切な友達』だと言っていた。

今ならわかるが、私を妹のように大切に扱ってくれてもいた。

なのに、ふとしたことで彼と対立した女性とのことで、中立の立場にあった私が

二人の間に生じた亀裂を何とか繕おうとした私の言動が、

どうやら自分の味方についてくれるものではないと判断したのか、

手のひら返したように、私まで裏切り者呼ばわりするようになった。

もともと彼女と知り合ったのが彼を介したチャットがきっかけ。

二人の、仲のよい姉弟のような会話や雰囲気が楽しくて、

そんな二人が対立しているのが耐えられなくて、なんとかとりもとうとした

私の態度が彼の逆鱗に触れたようだ。




自分の人間性に問題があるのがそもそもの原因だと思うのだが、

私はなかなか他人と友好関係を築きにくい人間だった。

高校生のときの出会いがきっかけで多少は改善されたと思うが、

やはり自分から積極的に他人と接すると言うのは苦手だ。



それまで同性の友達ばかりだった私にとって、

彼は初めてできた男友達の一人だった。

最初の印象こそ最悪だったが、そのうち私は彼を兄のように慕うようになる。

そうしているうちに、8年。

一時期距離をおいていたころもあったが、お互いにネットをはじめたことで、

彼との距離は一気に縮まり、最終的には彼の口から『大切な友達』という

評価を与えられるまでになっていた。

彼は私と同じように詩を書く人で、とても魅力的な言葉を綴るから、

ネット上でかなりファンが多かった。

彼のサイトにはそういう人たちが集い、掲示板もにぎわっていた。

その中で私は彼のプライベートの友達であると言う、一種の優越感を味わっていた。

そんな中、突然の決別宣言。

今思い返しても、自分に彼から切られるような非礼なことはしたと思っていない。

それくらい、あのころの彼の思考回路はある意味非常識に傾いていたから。

今なら笑ってはなすこともできるが、彼に関係を切られた直後はショックで、

自分のどこが悪かったんだろうと必要以上に悩んだり、

表面上は笑っているものの、誰もいないところでは泣いてしまうような、

そんな不安定な状態がずっとずっと続いていた。

子供のころはいじめられようが、大切な人に一方的にそっぽ向かれようが、

自分が悪くない、と言う信念があれば、

たとえ大勢の中で孤立していても平気だったし、

その孤独を楽しむ強さや余裕さえもあったように思う。



人は大人になれば弱くなるのか。

それとも、友好関係を築いていた8年と言う年月は、

突然の裏切りに平然と対処できないほどの長さだったのか。






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今でも彼とは冷戦状態が続いている。

彼は彼で忘れたころに彼を『裏切った』私たちのことを暗に批判するような

恨み節めいた言葉をネット上で綴ることがある。

今はそんなことをされても、私と言う存在を信じてくれている人がいるから

彼の子供じみた悪口を目にしたって一年前のように悩み泣き暮らすこともない。

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自分の腹黒い主張、私の裏表の顔を目の当たりにしても、

それでもこの日記を気にとめてくれたり、

私自身を励ましてくれる人々のおかげで、

私は何とか心身のバランスを保っていられるのかもしれない。

もしもこの日記の存在がなかったら、

あまりにも至らない私を支えてくれる人々の存在がなかったら、

今ごろ私はどうなっていたのだろう。


安積 紗月 |MAILHomePage

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