◎ 私は、何処に居れば ◎

分からない。

私は、何処に居れば良いんだろう。

何だか最近特に不安定です。
何も思い当たる原因が無いのに、悲しくて、寂しくて、苦しくなる。
涙も声も何処かが壊れたみたいに止め処なく溢れてきて
でも、それを誰にも伝えられない。

看護師さんは、そういう時は誰か(職員)に話しなさい、って言うけれど
何故だかどうしても、自分からは話しかけられない。

ギリギリ痛む胸を押さえながら、詰所に立ち竦むだけ。

突っ立っている私の横を、看護師さんが忙しそうに駆けて行く。



助けて。



言いたいことはそれだけなのに、口からは何も出てこない。
看護師さん、助けて。
苦しい、苦しいよ。


保護室からの叫び声のせいで、音ノイローゼになりかけた。
今まで、外からの騒音対策としてCDを聴いていたけど
そのCDの音すらも聴きたくなくなって。
泣きながら、無音の場所を探して病院中を歩き回った。
けれど公共の場である病院で、そんなことは望む方がおかしくて。

何も聴きたくない。

誰にも会いたくない。

…居場所が、無い。

だからといって例え家に戻ってきたとしても、
そこはほんの一ヶ月前に、何かに耐えられなくなって飛び出してきた場所。
ちゃんと生活が出来る筈が無い。
突然戻ってきた自由に歓喜して、そのまま命を絶つかもしれない。
刃物も鈍器も、すぐ手の届く所にある。
それを手にしないという自信が無い。

病院に取り上げられたカッターが恋しい。
鉄格子のはめられた、大きな窓から外を眺めながら
いつになればこのどす黒いものから開放されるのだろうかと
毎日暇と感情を持て余しながら、意味も無く生きている。

   − 2005年04月14日(木) −

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