◎ 無題 ◎


私が貴方を掬いました。


私が救えなかった

貴方に巣食った黒い影。


貴方は救われませんでした。


だから今、こうして私が掬っています。

小さくなりましたね。

もう少し、砕いた方が良いですか。



もうすぐ。

もうすぐ、貴方の好きだったあの海に

貴方が愛したあの空に

貴方を還すことが出来ます。


だから、もう少し。

もう少しだけ、この胸の中に居て下さい。

もう少しだけ、私に後悔をさせて下さい。


貴方へ贈る

貴方を送る

弔いの灯が、消えるまで。

   − 2005年05月14日(土) −

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