尽きてしまった。 もう、ほんの数日前まで何とか解いていた問題集さえ開けない。
皆無という訳じゃない。 授業中に大人しく座っていられる。 黒板を取ることも出来る。 本も読める。 でも、自分で考えるのが面倒臭い。 だから問題を自らは解けない。誰かの解を作業的に書き写すだけ。
ずっと思い続けてた。 10年間以上抱き続けていた、獣医師になるという夢。 その夢の終わりは呆気なかった。 脆くて、脆すぎて、悲しむ時間すら与えてくれなかった。 この夢を追い続けるという選択だってあった筈なのに 私にはそんな気力も根性も無くて、新たな道を選んだ。
保育士を目指すという、新たな目標を持ったのに。 気分は晴れて、やっと光が見えたと思ったのに。 なのに現実は付いてきてくれない。手は動いてくれない。
放活の時間に入ったトイレは何処までも暗くて 叩き付けたドアは、何処までも冷たかった。
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