◎ 集中力が ◎

尽きてしまった。
もう、ほんの数日前まで何とか解いていた問題集さえ開けない。

皆無という訳じゃない。
授業中に大人しく座っていられる。
黒板を取ることも出来る。
本も読める。
でも、自分で考えるのが面倒臭い。
だから問題を自らは解けない。誰かの解を作業的に書き写すだけ。

ずっと思い続けてた。
10年間以上抱き続けていた、獣医師になるという夢。
その夢の終わりは呆気なかった。
脆くて、脆すぎて、悲しむ時間すら与えてくれなかった。
この夢を追い続けるという選択だってあった筈なのに
私にはそんな気力も根性も無くて、新たな道を選んだ。

保育士を目指すという、新たな目標を持ったのに。
気分は晴れて、やっと光が見えたと思ったのに。
なのに現実は付いてきてくれない。手は動いてくれない。

放活の時間に入ったトイレは何処までも暗くて
叩き付けたドアは、何処までも冷たかった。

   − 2005年10月26日(水) −

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