私のことを、『人の痛みが分かりすぎる子』だと言ってくれた。
人を傷つけないように、人を怒らせないように、 必死で言葉を選んでからそれを口にする子だと。 人と上手く喋れないことがあったり、嫌な事をされても言い返せないのは 自分がそれを口にすることで、相手を傷つけてしまうことを恐れているからだと。 「他の子は、もっと大きくなってからそれを知るのに、 貴方は精神面が早く成長しすぎちゃったんだね」と、笑ってくれた。
嬉しかった。
“小学生の私”は、その先生に救われて生きていた気がする。
私が他人より特別に優しいとは思えないけれど、 あの先生のようになりたいとは言えないけれど、 でも、私が他の人よりも“痛みを察知すること”に優れているのなら 私はそれを活かせる人間になりたい。 あの頃の私のように、ただ泣くことしかできない子ども達。 黙することで自分を守っている子ども達。 私は、そんな子ども達の“声”になりたい。
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