◎ 小学生の頃、児童相談員の先生が ◎

私のことを、『人の痛みが分かりすぎる子』だと言ってくれた。

人を傷つけないように、人を怒らせないように、
必死で言葉を選んでからそれを口にする子だと。
人と上手く喋れないことがあったり、嫌な事をされても言い返せないのは
自分がそれを口にすることで、相手を傷つけてしまうことを恐れているからだと。
「他の子は、もっと大きくなってからそれを知るのに、
 貴方は精神面が早く成長しすぎちゃったんだね」と、笑ってくれた。

嬉しかった。

“小学生の私”は、その先生に救われて生きていた気がする。

私が他人より特別に優しいとは思えないけれど、
あの先生のようになりたいとは言えないけれど、
でも、私が他の人よりも“痛みを察知すること”に優れているのなら
私はそれを活かせる人間になりたい。
あの頃の私のように、ただ泣くことしかできない子ども達。
黙することで自分を守っている子ども達。
私は、そんな子ども達の“声”になりたい。

   − 2005年12月03日(土) −

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