スポーツを頑張っている子どもを見ると、 つい数日前にニュースで流れていた野球少年を思い出す。
彼は中学2年生で身長185cm。 恵まれた体格で剛速球を投げることができる、 現在も、そして将来も活躍が期待される少年だったらしい。
でも、彼は突然死んだ。 監督から与えられた、無理なトレーニングによる熱中症で。
今、私の横にも、中学校2年生の野球少年がいる。 私の実の弟は、熱中症で亡くなった彼と同じように野球が大好きで、 同じようにピッチャーで、彼の毎日は野球を中心に回っている。
ニュースで、知らない誰かの死を聞いて、ここまで悔しいのは初めてだ。 自分と同じ年の人が殺されても、自殺しても、大丈夫だったのに。 弟と重なって、他人事だと思えなくなる。 もっともっと野球をしたかったであろう思いを思って、悔しくなる。
熱中症で死んだ彼本人も、その両親も、周りの人も きっと、これからの彼の成長を楽しみにしていただろう。 彼は体格も才能も、他の人が望んでも得られないものを既に沢山持っていて その上に練習に練習を重ねる程、野球が大好きで。 …好きなものを極めたい気持ち、分かるよ。 上達して、自分も嬉しいけど、周りも喜んでくれて。 それで、もっともっと上手くなろうって思って頑張る気持ち、分かるよ。
もっと野球やりたかったよね。 もっと沢山試合をやりたかったよね。 もっと沢山の仲間に会いたかったよね。 貴方はもっと楽しめたんだ。これからだったんだ。 それを潰されて…今、貴方はどんな気持ちでいるんだろう。
貴方のような人に、もっとマウンドに上がってほしかった。 勝利に笑って、敗北に泣いて。 もっと、もっと大きくなってほしかった。
貴方の両親には及ばないけれど、私も泣くよ。 貴方がいないこの世界を悔やんで泣くよ。 貴方を奪った要因全てを恨んで泣くよ。
願わくば、貴方が少しでも早くもう一度白球を握れますように。
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