◎ つたえたいこと。 ◎

君に、言いたいことがあったんだ。

僕はこの場所のことは全て知覚出来るけれど、
この空間を越えてしまった場所のことは何も知らない。
だから、一番知りたいことが分からないんだ。

君は今、笑ってくれているだろうか。

君が僕を失うことは、僕が君を失うことと同じくらい辛いって
いつだったか君がそう言ってくれたから、僕は余計に心配している。
僕の君を失った痛みは、いつまでも癒えてはくれそうにないから。
だから君も、僕のせいで笑えなくなってしまったんじゃないだろうか、って。
それだけが心配で、今、僕は澄み切った空を仰いでいる。

君の笑顔が僕の救いだった。
君が笑ってくれれば、何でもできる気がしてた。
この空に触れることだって。あの雲を掴むことだって。

…そんなわけ、ないのにね。
不可能なものの存在に、君を失ってから気付いた。

今の僕は無力な存在です。
何にも属することができず、何処にも帰ることができず。
虚ろな目に映るのは、薄汚れた僕の手のひらだけです。
この手も、君と繋いでいた頃は、あんなにも綺麗だったのに。

今の僕を笑って下さい。
今、君が笑って下さい。
明日もこの空を眺めて下さい。
僕の目が、いつ開かなくなっても良いように。

   − 2006年02月26日(日) −

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