ずぶ濡れて、笑う君。
気持ちいいね、って。
これは、カミサマの涙なんだよ、って。
屈託のない笑顔で言ったんだ。
きっとカミサマも、苦しい恋をしているんだね、って。
ずぶ濡れながら空を見上げて、少し寂しそうな感じで。
私と同じ、って。
君の頬を伝う雨粒が本当の涙なんじゃないか、って。
目を見張った僕に向かって、何事も無かったかの様に、
何時も通りの明かりが差すような笑顔で
涙に濡れるのも悪くないでしょ・・・って。
未だ雨は降り続いていたけど。
僕も君と一緒にずぶ濡れて立っていたけど。
君のまわりだけが晴れていた。
君の言っている事は馬鹿らしかったけど、
今日だけは信じてみてもいいかな、って・・・思った。
だから、僕もずぶ濡れて空を見上げつつ笑いながら言ったんだ。
ほんとうだ、涙に濡れるのも悪くないね、って。
ほんとうは涙って、あたたかかったんだね・・・ってさ。
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