コトバアソビ。
無断引用お断り。

2003年01月13日(月) 女郎蜘蛛と蝶二匹。


樹齢五百年と六百年の間に

女郎蜘蛛は巣を作った。

大きな、大きな蜘蛛の巣だった。

朝露に濡れて雫が光ると

大きな一枚の絵に見えた。

ある日、ちょうちょがひっかかる。

食べ物だった。

蝶は泣きながら思うのである。

おとうさん、おかあさん、さようなら、と。

しかし、女郎蜘蛛は食べようとしない。

数日後、もう一匹ちょうちょがひっかかる。

前にかかった蝶は言う。

きっと私たち、食べられてしまうわ、と。

後にかかった蝶も言う。

まだしたい事は沢山在ったのに、と。

気付くと女郎蜘蛛が傍に居た。

怖さに竦んで声も出ない二匹に、

女郎蜘蛛は醜悪な笑顔を曝して言うのである。


『いらっしゃい、私の家へ。 私、お友達が欲しかったの。』



女郎蜘蛛と、蝶二匹。



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本田りんご

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