コトバアソビ。
無断引用お断り。

2003年01月17日(金) 醜い白鳥の。


昔々、家鴨に育てられた白鳥の子がいました。

白鳥の子は、自分の兄弟達に虐められます。

「変なの、変なの!! お前の身体、鼠色だ!!」

白鳥の子は、親からも言われます。

「お前が自分の子だなんて、思いたくないわ。出来損ない。」

白鳥の子は泣くのです。

泣きながら、思うのです。


きっと、大人になったら立派な家鴨に成れるさ。

大人になったら、きっと。


暫くして、

兄弟達が親元から独り立ちする事になりました。

成長した白鳥の子は、

やはり家鴨には成れずに白鳥のままでした。

兄弟達は囃し立てます。

「変なの、変なの!! お前の身体、真っ白だ!!」

親はもう、言葉すら掛けてくれません。

白鳥の子は思います。


この身体が、もう少し、茶色だったら。

この身体が、もう少し、小さかったら。

この身体が、もう少しだけ。

そうしたら、兄弟達は僕の事、

仲間に入れてくれた?

そうしたら、お母さんにもお父さんにも

笑顔を見せてもらえたの?


思いながら、自分の羽根を毟って行くのです。

この白い羽根の下からはきっと、

皆と同じ茶色の羽根が。

そうしたら、僕は。


毟っても、毟っても

白鳥の子の毛は白いままでした。

その内に、無理矢理毟った皮膚が切れて

白い羽根がどんどん赤く染まりました。

白鳥は紅鳥になりました。

綺麗な紅鳥に成った白鳥の子は、

其処で息絶えてしまいました。

それでもやっぱり、兄弟達は言うのです。

「変なの、変なの!! こいつの身体、紅色だ!!」



もし、白鳥の子が、白鳥の仲間に会えていたとしたら。





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本田りんご

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