朝から打ち合わせ。 虎ノ門へゴー。 いつものように滑り込みセーフ。 週末に買った指輪は最初と場所が違う。 革の黒。 オニキスの黒。 眠い目は赤。
睡眠薬が効きすぎて頭が回らない。 体を起こしているのが精一杯。 いいや。 怒られるの承知で間違えたフリしよう。
いつもより飛ばすタクシー。 いつもより眠い上司。 上の空なセビアンは通り過ぎて。
片付けられない仕事ひとつ。 明日に持ち越す。 持ち越せない事情ひとつ。 胸の奥で目を瞑る。
できた資料はカンペキで。 世の中のすべて。 パソコン上でカタがつけばいいのに。 無機質な世界に無機質なアタシ。
愛の欠片を教えて。
会社を出たのは10時過ぎ。 線路沿いを歩く人は少なく。 クラブのニーチャンが声をかける。 「ねぇねぇ、一緒に呑もうよ」。
まだまだ火曜日。 まだまだ来週まで。 終わったら眠ろう。 丸くなって眠ろう。
沈丁花の香りは薄く。 都会の闇も薄く。
ネオンひとつ。 心にひとつ。 さて。どこで灯そう。おそらくここで。
週末まで。 まだまだ。
出会いと別れ。 数多く。 けれどたった一つ。
まだまだ。 もう少し。
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