5月一杯で会社を辞めることにした。 そのあとしばらくはゆっくり骨休め。
の予定は未定。
金曜の夜は憂さを晴らしに涼子ちゃんと呑みに出かけた。 こじんまりとしたそのお店はまさにこじんまりと。 物静かな女性二人がカウンターの中で切り盛りしている。
物腰さえ静かに。 けれど重厚な味。
まだ若いのに。
静かな時間の過ぎる中、 ドアの外に週末の夜の渋谷の喧騒が渦巻いているとはとても思えず。
このお店にはまた来よう。 このお店は誰にも教えない。 ひそかにこっそり携帯に登録。
美味しいお料理と美味しいお酒に酔いが回り、 気がついたらいい加減イイ時間。
駅前で涼子ちゃんと別れて久々にフェティッシュバーに顔を出す。 確か今日はイベントの日。
お店に入ったらなんだか懐かしい顔がそこかしこ。 今日は「縄部」だった。 縄愛好者が集まる日。 他に女のコがいなかったせいか、いきなりモデルにされる。 次々縛られ続けるオイラ。
極めつけは店のボス。 テーマは「ねじり」。 むぅ。 流石です。 縄に「遊び」がない。 でもかといって苦しいワケでもキツイわけでもない。 そのまま放置されても充分大丈夫。 生きていけます。
けれど色々不便が生じてきたので縄抜けの術。 くねりくねりと体をうねらせて縄から抜ける。 床の上に抜き落とした縄を見ていたら正面から見ているボスの視線とぶつかった。 何かを言いたそうな、何かを問い掛けているような目。
「なんで?どうして?」
けれど威圧的でなく、どこかしら寂しげな。
(ナニヲモトメテイル?)
縛られ疲れて縄に酔ったのか、はたまた気分よく呑んだ酒に酔ったのか。
気がついたら土曜の夕方。 SALONの準備をしなければいけない時刻。 けれどムリ。 どうやら二日酔いの頭痛と偏頭痛が交互に襲ってきている。
悪いけれど全て夫と本日の台所担当さんに任せる。 何とかシャワーを浴びて、午前中に届いた特注のボトルランプを飾る。 ミラーチャームも飾る。
きれい。 けれど少し物足りない。
夜、詩とSMの融合体が蠢きだす。
バファリンを飲み続けた夜。
遠くでメトロノームの音を聞いた夜。
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