嫌いです。 嫌いです。 嫌いなんです。
好きです。 好きです。 好きなんです。
昨晩歩いた道をもういちど辿ってみたら行き着いた先はそこではありませんでした。
そこはそこ。 ここはここ。 ここはどこ。
アナタハドコ。
この週末はいつもより少し遊んだ。 自分のために遊んだ。 「放っておいてください。」
土曜の夜は女のコとデート。 が、やはりよく知らない同士で呑むのはアタシに向いていない。 「放っておいてください。」
お目当ての店が突如貸切パーティーを入れたので慌てふためく。 いいや、とりあえず渋谷まで。 待ち合わせてから考えを巡らせる。 カクテルがご所望ということで。 東口の雑居ビル2階にある某レストランバーに決定。 食事後、大崎に移転した某フェティッシュバーへ向かった。
早めのそこはオープン間もないというのに人影がなく。 スタッフばかりがソファでくつろいでいる。
あんな話やこんな話で終電までの時間を過ごすつもりが、気付いたら 終電で帰る彼女を店から送り出していた。
店内に戻って。 もう一度テキーラバック。
飽きない蠍は飢えている。 待てないアタシは冷めている。 蠍もアタシも動けないままガラスケース越しに距離をとる。
夜半、蠍の餌を探す少年たちの姿が闇に蠢く。 それはまるで内臓を掻き出すかのように。
と、求めるのは疲れたので一人店内に戻った。 なぜそこにいるのか分らずに。 なぜそこなのかも分らずに。
おぼつかない秒針はそれでも確実に時を刻み、 そうして少しずつ追い詰められる精神は再び呟きだす。
「誰か殺してくれませんか。」
朝が来ても蠍はコオロギを食べることなく、しようがないのでアタシは店を出た。
帰宅してからSALONでUNOをやる。 オープンUNOは少しルールが変わったSALON仕様。
シナプスが千切れ、切るカードがなくなっても眠りはアタシを許さない。 まるでノルマでもこなすかのように。 まるで何かにとり憑かれでもしたかのように。
眠れない眠れない眠れない。
午後になってからようやく瞼の重みを感じはじめた。
繰り出されるカードはアタシの運命を変えてくれるのだろうか、と。
面倒くさいのは嫌なので。 癒し方など分らないので。
「もう放っておいてください。」
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